北欧の金融グループである スベア・エコノミー(Svea Ekonomi) (注1) の金融実務に関する2つの問題が、フィンランドの データ保護オンブズマン局(Tietosuojavaltuutetun toimisto) で処理され、その結果、4月1日付けでデータ保護オンブズマン局(以下、「オンブズマン局」という)は、Svea Ekonomiに対し、30日以内にデータ主体自身の信用度の評価、自身の個人データを調査する権利および通知慣行に関連する個人データの処理にかかる実務慣行を修正するよう同社に命じた。 この決定はEUの 欧州データ保護会議(EDPB)取り上げている問題 でもあり、本ブログではオンブズマン局の公表内容等に基づき、本質的な部分を補足を踏まえ仮訳する。なお、フィンランドのオンブズマン局のサイトを読んで気がつくであろうが、詳細データにわたり各種データの表示が英語版にパラレルに訳されている。 なお、「国立差別禁止・平等審判所」の役割、機能は興味深いので第2項でまとめて説明する。 1.事実関係と問題の背景 Svea Ekonomiに関する案件の1つは、単一のデータ主体による苦情として、オンブズマン局で処理された。それは信用度を評価するために使用される個人データとそれらに関するデータを調査するデータ主体の権利に関係していた。さらに、オンブズマン局は、自身のイニシアチブに基づいてSvea Ekonomiの通知慣行に関する問題を処理し始めた。 (1) Svea Ekonomiのクレジット申請時の信用度評価にかかる説明不足 その決定命令において、オンブズマン局は、信用度の評価におけるカテゴリー的な上限年齢の使用は、信用情報法に定められた信用情報の定義の下では受け入れられないと述べた。クレジット申請者の単なる年齢は、彼らの支払能力、支払う意思、または彼らのコミットメントに対処する能力について説明していない。Svea Ekonomiが提出した口座に基づくと、クレジット申請の自動処理では、クレジット申請者の財政状態はまったく考慮されていない。 また、オンブズマン局は、同Svea Ekonomiのオンライン信用決定サービスは、EU 「一般...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。