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米国国土安全保障省(DHS)が全国家的規模の第1回「サーバー・ストーム演習」の完了を報告

 

Last Updated: March 14,2021

 米国国土安全保障省(DHS)は、2月10日に連邦国家主導のサイバーセキュリティに関する実用化演習「Cyber Storm」が当初の目的どおりに完了したことをリリースした。この試験は、2月6日から10日の間に行われたもので、関係国、連邦、州、および地方政府や民間部門と連動して、サイバーセキュリティ問題にかかる具体的な対応、官民の連携や回復のためのメカニズムする初めての全国家的規模の試験であり、参加した行政機関、民間機関、国際機関や民間企業数は総計115団体である。この問題はわが国の一般新聞には詳しく出ていないように記憶するが、以下述べるように今世界中の国が戦争テロだけでなく、サイバー犯罪、大規模自然災害などの危機にさらされている。たまたま、経済産業省は2月10日付けで「安心・安全な情報経済社会の実現のための行動計画(案)」に対する意見募集を行っているが、わが国の対応を見るにつけ、いかにも遅いという印象はぬぐいきれない。

 DHSのセキュリティ担当副長官であるジョージ・W.フォアマン(George W.Foresman)は以下の通り述べている。

George W. Foresman氏

 「サイバー攻撃に対する対応の準備は政府と民間部門との強調と連携を必要とする。サイバー・ストームは次のような行政機関行政の責務と準備について強調する。今回の演習は、国内の基幹インフラに対する研ぎ澄まされたサイバー攻撃を想定した。例えば、送電線網に対する多数の破壊行為から生じる公共企業のコンピュータシステムの破壊といった重大な事故シナリオを用意した。

 このシナリオの意図は、物理的なインフラを際立たすことで民間の連携と情報交換を実際に演習することにある。今回のシナリオは、産業界の専門家の支援を得て開発され、閉鎖的かつ安全な環境下で実行された。

 サイバー・ストームは、エネルギー、情報技術、電気通信、及び輸送分野に影響を与える大規模なサイバー事故の流れの中での対応について実験した。具体的に次のような能力について検証した。

①全米サイバー対応協調グループを通じた関係省庁間の協調的対応
②対応と回復に影響を与える政策課題の検証
③公的及び民間部門間における経路とメカニズムについての重要な情報の検証
④官民の相互作用の改善と推進

 DHS以外で今回の実験に参加した内外の機関・組織は次の通りである。
商務省、国防総省、エネルギー省、国務省、運輸省、財務省、司法省、国家情報局、CIA、国家安全保障局、国家安全保障会議、ミシガン州、モンタナ州、ニューヨーク州、FBI、シークレット・サービス、米国北方軍(NORTHCOM)、米国赤十字、カナダ。

 なお、実験に参加する予定として「情報技術に関する共有・分析センター(IT-ISAC)」があらかじめ公表していたシステム関連の参加企業は、シスコシステムズ、シタデル・セキュリティ・ソフトウェア、CA(前コンピュータアソシエイト)、コンピュータサイエンス、インテル、マイクロソフト、シマンテック、べリサインである。

 なお、DHSはこのサイバー・ストームを原則的に毎年実施し、第1回(Ⅰ)が2006年2月第2回(Ⅱ)が2008年3月第3回(Ⅲ)が2010年9月第4回(Ⅳ)が2015年6月第5回(Ⅴ)が2016年3月第6回(Ⅵ)が2018年4月

第7回がCyber Storm 2020である。

【補追】2021.3.16

1.2021年3月の改訂時に全米規模のCyber Storm演習につき再調査した。このような演習が、わが国では行われていない点はさておき、この演習の中核機関the Cybersecurity and Infrastructure Security Agency(CISA)の任務につき紹介しておく。

 CISAは、サイバー攻撃から守る国家能力を構築し、連邦政府と協力してサイバーセキュリティ・ツール、インシデント対応サービス、および評価機能を提供し、パートナー部門や関係機関の本質的な業務をサポートする「.gov」ネットワークを保護する。

 CISAは、民間部門と公共部門の信頼できるパートナーシップを使用してセキュリティとレジリエンスの取り組みを調整し、連邦関係者だけでなく、全国のインフラ所有者と事業者に技術的支援と評価を提供する。また、CISA は、ギャップを特定するための現在の機能に関連するこれらの評価に関する洞察を提供し、新しいテクノロジーの検討とともに、将来の能力に対する需要(近い将来および長期的)を決定するのに役立つ機関である。
 CISAは、全米のパートナーが緊急通信能力を開発するのを支援するために、政府のすべてのレベルで公共の安全相互運用可能な通信を強化させ、さらに、CISAは、全国のステークホルダーと協力して、自然災害、テロ行為、その他の人為的災害が発生した場合も、緊急対応プロバイダーや関連政府関係者が引き続きコミュニケーションを取る能力を支援し、促進するために、全国的な広範な支援を行っている。

 また、国家リスク管理センター(NRMC)は、サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)内に収容されており、我が国の重要なインフラに対する最も重大なリスクを特定し、対処するための計画、分析、およびコラボレーションセンターである。

 NRMCは、重要なインフラコミュニティにおける民間部門やその他の主要な利害関係者と緊密に連携して取り組んでいる。分析ならびに優先順位を付ける。また、国家の重要な機能に対する最も戦略的なリスクを管理する- 政府と民間セクターの機能は、米国にとって非常に重要である。すなわち、同センターの混乱、腐敗、または機能不全は、米国の安全保障、国家経済安全保障、国家の公衆衛生または安全、またはこれらの任意の組み合わせに衰弱させるという重大な影響を及ぼすことになる。

2.CISAの”Cyber Storm: Securing Cyber Space”サイトは大変良く整理されており、かつ古いデータの確認、最終報告書等うらやましい限りである。わが国の関係機関や研究者は見習ってほしい。

〔参照URL〕
http://www.dhs.gov/dhspublic/display?content=5410
http://www.fcw.com/article92160-01-31-06-Web

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(今回のブログは2005年2月12日登録分の改訂版である)

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