7月3日のNHK連続ドラマ「虎に翼」の後半で以下のとおり放送された。「最高裁で尊属殺の重罰規定が議論され、15人の判事のうち13人が合憲と判断。反対を表明した判事のうちの1人が穂高(実名: 穂積重遠:渋沢栄一の初孫 )だった。寅子が暮らす猪爪家では、判決を報じた新聞を読んだ家族が合憲判断に対する違和感を率直に述べ、反対が2人しかいなかったことに落胆する者もいた。これに対し寅子は、判決は残るし、反対の声がいつか誰かの力になる時がきっとくると話し、絶対にあきらめないという決意を新たにした。 ( The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL Inc: 朝ドラ「虎に翼」7月4日第69話あらすじ から抜粋 ) ところで筆者から見ると、この部分は極めて重要な憲法違憲にかかる問題である。正確性を重視するNHKの従来のスタンスら見て、どうなるか関心をもって見ていたところ7月5日に一部放映された。筆者なりにこの問題をあらためて解説する。 また、NHKテレビでは 穂積重遠氏 (ドラマでは穂高重親))は戦後民法の指導的役割をなったとあるが、後述するとおり、最高裁判事として刑法分野においても戦後憲法の民主的理解者でもあった。 なお、同ドラマで引用されている最高裁判決は 昭和25年(1995年)10月11日 大法廷・判決 :昭和25(あ)292事件: 尊属傷害致死罪(刑集4巻10号2037頁) であるが、実は最高裁は その2週間後の 昭和25年(1995年)10月25日大法廷・判決 : 昭和24(れ)2105事件:刑集 第4巻10号2126頁 : 尊属殺人事件で刑法第200条第2項につき改めて合憲判決を下している。 その後、23年後の1948年4月4日最高裁大法廷( 昭和45(あ)1310)は刑法の尊属殺人罪の規定が「憲法違反」であるという判決が言い渡された。この判決がきっかけとなって尊属殺人罪の規定が削除されることになった。しかし、実際に刑法200条から第2項が削除されたのはその22年後の平成7年5月31日である。今回の旧優性保護法判決で見る通り、国会議員や法務省や厚生労働省など関係省庁における憲法遵守や人権感覚の欠落は国民のとって放置できない問題である。 今回のブログは、これらの経...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。