わが国のメデイアでは毎日のように生活習慣病である高血圧や高血糖値の予防が報じられている。その中で、スマートウオッチによる血圧、心電図 (注1) 等の健康状態のモニタリング機能を宣伝するサイトが多くなっている。 今回のブログは、 2018 年ころから Apple Watch 等により活発になりつつある血糖値のモニタリング機能付きスマートウオッチに注目し、先手を打った米国連邦保健福祉省・食品医薬品局( FDA )の FDA の安全性に関する伝達文書 (FDA Safety Communication) の意義を明らかにするため、以下の項目につき解説を試みるものである。なお、今のところこの問題につき、わが国厚生労働省の具体的対応は見えてこない。 (1) 高血糖値のリスクの概要の説明、 (2)FDA の警告内容のわが国のメデイアの記事概要、 (3) 今回の FDA の警告は厚生労働省の安全サイトでは取り上げられていない、 (4) ネット広告では、スマートウォッチ (Smartwatches) やスマートリング (Smart Rings) のうち特にスマートウォッチの血糖値モニタリング機能広告での使用例、 (5) わが国では、まだ普及がいまいちである健康管理スマートリングの機能の概観と FDA のスマートデバイスの認可動向である。 1.高血糖値のリスクの概要の説明例 (1) Kyowa Kirin Co., Ltd. 「糖 尿 病 っ て ど ん な 病 気 ?」 から一部抜粋する。 糖尿病の診断には、血液検査が必要です。次の4項目を測定します。 ①HbA1c(ヘモグロビンA1c) ②早朝空腹時血糖値 ③75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験) ④随時血糖値 (2) 2022.2.10 NHK 東京慈恵会医科大学 主任教授 西村 理明 「血糖値を24時間モニターできる装置で隠れた高血糖・低血糖を発見」 参照。 2. Apple Watch 等も目指す血糖値測定機能について FDA がスマートウォッチの非穿刺型 (注2) 血糖値測定機能を使用しないでと警告を報じるわが国のメディア記事例 (1)2024年2月22日、Forbes japan記事 「 Apple Watc...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。