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2月, 2024の投稿を表示しています

日本における血糖値監視デバイスの利用を巡る米国食品医薬品局(FDA)の警告文書とその意義および健康監視デバイスの新規参入動向

   わが国のメデイアでは毎日のように生活習慣病である高血圧や高血糖値の予防が報じられている。その中で、スマートウオッチによる血圧、心電図 (注1) 等の健康状態のモニタリング機能を宣伝するサイトが多くなっている。   今回のブログは、 2018 年ころから Apple Watch 等により活発になりつつある血糖値のモニタリング機能付きスマートウオッチに注目し、先手を打った米国連邦保健福祉省・食品医薬品局( FDA )の FDA  の安全性に関する伝達文書 (FDA Safety Communication) の意義を明らかにするため、以下の項目につき解説を試みるものである。なお、今のところこの問題につき、わが国厚生労働省の具体的対応は見えてこない。     (1) 高血糖値のリスクの概要の説明、 (2)FDA の警告内容のわが国のメデイアの記事概要、 (3)  今回の FDA の警告は厚生労働省の安全サイトでは取り上げられていない、 (4)  ネット広告では、スマートウォッチ (Smartwatches) やスマートリング (Smart Rings)  のうち特にスマートウォッチの血糖値モニタリング機能広告での使用例、 (5)  わが国では、まだ普及がいまいちである健康管理スマートリングの機能の概観と FDA のスマートデバイスの認可動向である。 1.高血糖値のリスクの概要の説明例 (1) Kyowa Kirin Co., Ltd.  「糖 尿 病 っ て ど ん な 病 気 ?」 から一部抜粋する。 糖尿病の診断には、血液検査が必要です。次の4項目を測定します。 ①HbA1c(ヘモグロビンA1c) ②早朝空腹時血糖値 ③75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験) ④随時血糖値 (2) 2022.2.10 NHK 東京慈恵会医科大学 主任教授 西村 理明 「血糖値を24時間モニターできる装置で隠れた高血糖・低血糖を発見」 参照。 2. Apple Watch 等も目指す血糖値測定機能について FDA がスマートウォッチの非穿刺型 (注2) 血糖値測定機能を使用しないでと警告を報じるわが国のメディア記事例 (1)2024年2月22日、Forbes japan記事 「 Apple Watc...

オンライン憎悪(online hate)と憎悪犯罪(hate crime)やヘイト・スピーチ(hate speech)の規制強化にかかるEUや主要国の最新立法の動向

    筆者の手元に、米国連邦議会の独立補佐機関GAO(連邦議会行政監査局) (注1) から標記レポートが届いた。  この問題は単にオンライン憎悪(online hate)と憎悪犯罪(hate crime)やヘイト・スピーチ(hate speech)の規制強化の問題ではない。先に筆者が論じたデジタル社会の法制整備の一環でもある。  今般のGAO の調査によると、選ばれた 6 社すべてが、人種や宗教などの実際の特徴または認識されている特徴に基づいて、自社ポリシーでヘイト・スピーチまたは人々に対する暴力的過激主義を促進していると定義しているコンテンツを削除するために何らかの措置を講じていることが判明した  はたして、わが国では立法問題だけでなく企業等のポリシー等の調査がはたして適正に調査したりしているのか、疑問が湧いた。  今回のブログは、(1)GAOレポートの概要紹介、(2)最近時のEU議会や欧州委員会の法規制の取り組み、(3)米国、ドイツ、フランスの立法の動向と更なる課題について解説を試みる。 1 . 2024.1.12 GAO  レポート 「 オンラインの過激主義 : インターネット上で発生する憎悪犯罪について、より完全な情報が必要」 の仮訳   (1)概況報告(Fact Sheet)  GAOが調査した調査によると、近年、かなりの数のインターネット・ユーザーがオンラインでのヘイトを経験している。  GAOの研究と政府の報告書は、オンライン憎悪(online ate)と憎悪犯罪(hate crime) (注2) との関連性を示している。 たとえば、査読済みの研究(peer-reviewed study)では、パンデミック中に米国の一部の都市で、無作法なインターネット・コメントとアジア人に対するヘイト・クライムが関連付けられていることが判明した。  連邦司法省(DOJ)は、執行機関から憎悪犯罪に関するデータを収集している。 司法省はヘイト・クライムの推定に全国世帯調査も行っているが、ヘイト関連のサイバー犯罪については調査対象でない。 ヘイトク・ライムをより深く理解し、対処するために、このデータを入手する方法を検討することを勧める。 【ハイライト】 *GAOが明らかとしたこと  連邦司法省 は、次の 2 つの統計プログラムを使用し...

米国のGAO(連邦議会行政監査局)によるデジタル・フォレンジック技術・アルゴリズムの評価と更なる課題レポートおよびデジタル・フォレンジックに関する研究機関の最新情報

   筆者の手元に、邦議会独立補佐機関GAO(連邦議会行政監査局) (注1) から「デジタル・フォレンジック技術・アルゴリズムは犯罪捜査に利点をもたらすが、一方で、攻撃の痕跡や手法などの技術的解析から、攻撃者の意図をめぐる地政学的背景まで、多様な状況証拠の収集と分析を通じ、匿名性が高いサイバー攻撃の攻撃者や背後の攻撃国を特定(判断)していくプロセスであるフォレンジック・アトリビューション(attribution )の難しさ、さらに偏見や誤用の可能性、結果を伝える難しさなど等さまざまな要因が結果に影響を与える可能性がある」という レポート が届いた。  米国GAOには、この問題と関連するレポートが2つある。1つ目は 「デジタル・フォレンジック技術:連邦法執行で使用されるアルゴリズム(Forensic Technology:Algorithms Used in Federal Law Enforcement GAO-20-479SP Published: May 12, 2020. Publicly Released: May 12, 2020)」  2つ目は、 「デジタル・フォレンジック・アルゴリズムの技術で性犯罪者を追い詰めるNov 27,2020」 である。今回のブログは後者レポートの概要も併せ引用する。  筆者は従来からわが国で「フォレンジック」を「法医学」、「法廷証拠学」や「法科学」といった訳語が氾濫していることに懸念している。 (注2)  その中で、以下の令和4年6月 法務省刑事局作成の検察庁「各種犯罪への対応(時代に即した検察庁における人材育成)」を読んだ。 デジタル・フォレンジック=電子鑑識  ジタルフォレンジック(DF)とは、押収したデジタル機器内に保存されているデジタルデータを適正な手続により、全く同じ状態で抽出し(保全)、その抽出したデータの中から犯罪立証のための客観的証拠を見つける(解析)ための手法、技術。   法務省刑事局作成の検察庁「各種犯罪への対応(時代に即した検察庁における人材育成)から抜粋  GAOレポートを簡易かつ正確に読むには、まず“Highlights”と「GAOが明らかとした事項」、および「GAO が本調査を行った背景」を概観することがポイントなるので、今回のブログでは、まず、その内容をまとめるとともに関連する...