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オーストラリア銀行協会(ABA)は、新しい銀行行動規範(Banking Code of Practice)の改定およびそのレヴュー意見書を求めている旨を発表

 

 オーストラリア銀行協会(Australian Banking Association:ABA)は7月6日、銀行行動規範の独立性をもったレビュー機関に付託したと発表し、そのレビューは現在提出が求められている。

 今回のブログは、(1)ABAリリース内容やABAのCEOのコメントを仮訳、(2).オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)のABA行動規範の改定につき強化すべき点の指摘内容、(3) 一般社団法人・全国銀行協会の銀行役職員の行動規範・倫理規範として定めている「行動憲章」を改定動向等を概観する。

1.ABAリリース内容やABAのCEOのコメント内容

 このレビューは、現在の連邦交付金委員会(Commonwealth Grants Commission) (注1)の委員長であるマイク・キャラハン(Mike Callaghan  ASM (注2)PSM(注3)によって行われている。キャラハン氏は、政府および金融セクターの主導的役割において長く卓越したキャリアを持ち、退職後の所得、税金、保険、および経済規制をカバーするオーストラリア政府の独立したレビューの議長を務めてきた。

 オーストラリア銀行協会のアンナ・ブライ(Anna Bligh)最高経営責任者(CEO)は、銀行業界に関心を持つ個人、企業、消費者団体、その他の団体からのレビューへの参加を奨励し、規範の強さと信頼性をさらに高めるのに役立つという観点から以下のとおり述べた。

Anna Bligh 氏

「1993年以来、この規範は、業界が法律を超えた基準を設定するための手段となっている。

この規範は、顧客の明確な権利を定めた銀行向けのルールブックである。これは法律により執行可能であり、またオーストラリアの金融機関の基準として使用される。オーストラリア 金融苦情対応局(Australian Financial Complaints Authority )は銀行に対する顧客の苦情を考慮しているので、この規範に基づきそれを正しくすることが本当に重要である。

 規範のより最近のバージョンには、ヘイン王立委員会 (注4)および金融業界の他のイニシアチブによって推奨された変更が組み込まれている。重要なのは、これがASICによって承認された最初の金融業界規範という点である。同時にこのレビューは、規範をさらに強化する機会を提供する。

「ABAは、政府および経済の役割において豊富な経験を持つマイク・キャラハン氏を任命することを嬉しく思うとともに、キャラハン氏の調査結果を学ぶことを楽しみにしている。

 今回のレビューの結果に関心のある人は、2021年8月6日までにこの独立したレビューに提出することで自分の考えを聞くことを強く勧める。独立したレビューは、消費者代表、中小企業、農民、政府、規制当局、一般市民を含むすべての利害関係者からの提出を受け入れる」

 マイク・キャラハン氏は、「レビューの焦点は、コードが消費者とコミュニティの期待に応えることを保証することにあり、すべての利害関係者と幅広く協議することを楽しみにしている」と述べた。

〇 オーストラリア銀行協会は、少なくとも3年ごとに行動規範の独立したレビューを促進してきた。

 本レビューは、Bankingcodereview.com.auでアクセスできるコンサルテーション・ノートを公開している。提出期限は2021年8月6日である。さらに、レビューは2021年11月末までに調査結果を報告する予定である。レビューが完了すると、金融業界はABAが行動規範の変更を検討する前に対応する機会があり、その後、ABAは、改定された規範のオーストラリア証券投資委員会(ASIC)による承認を求める予定である。 

【参考】

〇 英国メディアBBCの報告に対する政府財務省の姿勢への批判的レポート記事を参照されたい。その見出しは「銀行王立委員会の勧告報告のほとんど放棄または延期された。分析によると、ケネス・ヘイ委員会の76の推奨事項のうち45はまだ実装されておらず、4つは放棄されている」とある。

2.ACCCはABA行動規範の改定につき強化すべき点を指摘

 2019年9月27日、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)はABA行動規範の改定案につき更なる保護強化の観点や競争法の適用の観点からの意見書を出している。 

 以下で概要を仮訳する。

〇 ACCCは、オーストラリア銀行協会(ABA)の銀行業務規範に条件を課して、改定された規範では低所得の消費者と干ばつの影響を受けた農家に利益をもたらすべきことを保証するよう提案している。

〇 ABAは、主要銀行を含む23のメンバーを代表して、銀行、年金および金融サービス業界における不正行為に関する王立委員会の勧告(Hayne Royal Commission)に沿って銀行行動規範を改正する許可を求めている。

 ACCCが提案した改正案は、顧客からの要求がない限り非公式(融通的)な当座貸越と返済料金な手数料(dishonour fees)(注5)を禁止することにより、基本的な銀行口座と低額または無料の口座を改善することを目的としている。またABAは、特定の種類の基本的な銀行口座には、最低預金、無料の直接デビット機能、追加費用なしのデビットカードへのアクセス、無料の無制限の国内取引を提案している。

 さらに、ABAの規範変更により、干ばつの影響を受けた地域の農業ローンにデフォルトの利子が課されるのを防ぐことができる。

 ABAの提案を検討した後、ACCCは、これらの変更を強化するために追加の条件が必要であると考えている。

 ACCC副委員長のデリア・リッカード(Delia Rickard )は「規範の提案された変更内容は、低所得の顧客に手頃な銀行へのより良いアクセスを提供し、干ばつを経験している農民への重大な害の原因に対処することによって、公共の利益をもたらすはずである」と述べた。

Delia Rickard 氏

 ACCCはこれらの目的を強力にサポートしているが、改定・変更が王立委員会の推奨事項に効果的に対応し、実際にこれらの公益を提供できるように、ABAメンバーに追加の条件を設けることを提案している。

 たとえば、ABAの改定案では、状況によっては、顧客の同意なしに基本的な銀行口座が引き落とされる可能性があり、銀行は、引き出された金額に対して、場合によっては20%に近い利息を請求し続ける可能性がある。

 これは、低所得の顧客が同意しなかった当座貸越から債務を負うことにつながる可能性があり、これはまさに、ヘイン王立委員会が対処しようとした種類の問題である。

 ABAが提案した承認条件では、これらの場合に利息を請求することはできないし、または、そのような利息を顧客に返済する必要がある。

 またACCCは、ABAが提案する変更により、銀行が口座の対象となる既存の顧客を積極的に特定したり、基本的な銀行口座を提供し続ける必要がないという消費者グループの懸念を共有している。

〇 これに対処するために、ACCCが提案している条件では、銀行はデータ分析などを通じて、適格な顧客を積極的に特定する必要がある。これらの顧客に適格性を通知し、ABAが無料の銀行口座を提供するために講じた措置についてACCCに報告し、顧客の数を報告するという内容である。

〇 さらにACCCは、現在基本的な銀行商品を提供しているABAのメンバー銀行に認可期間中もそうし続けることを要求する。

 これらの問題と提案された条件について、ACCCに対し2019年10月14日までにフィードバックを寄せられたい。ACCCの最終決定は2019年11月に予定されている。

 以上述べた決定案および承認申請に関する詳細は、オーストラリア銀行協会サイトで入手できる。

【今回のACCCの意見の背景】

 2019年5月22日、ABAは、ヘイン王立委員会に対応して銀行業務規範を改訂するためのACCCの承認を求めた。

 行動規範の改定に伴い、競合する銀行がABAを通じて合意に達する必要があるため、ACCCの承認が必要になる。これは、そうしなければ競争法に違反する行為となる。

 提案された規範の変更は2020年3月1日に発効し、このレビュープロセスとは別に銀行行動規範の2回目の改正がASICによって承認されるまで続く。

3.一般社団法人・全国銀行協会の銀行役職員の行動規範・倫理規範として定めている「行動憲章」を改定

 わが国の銀行の行動規範・倫理規範となる「行動憲章」の具体的内容、オーストラリアのような第三者独立委員会での検討は如何などの検討すべき問題は多く見られよう。

 とりあえず、筆者が現時点で入手可能な範囲で挙げる。

〇 2018年3月15日、「行動憲章」の改定について発表

 一般社団法人全国銀行協会(会長:平野信行 三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)は、本日開催の理事会において、銀行役職員の行動規範・倫理規範として定めている「行動憲章」を改定した旨発表した。

 今回の改定は、2015年に「国連持続可能な開発サミット」において採択されたSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))や、ESG(Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス))の課題に関する視点を反映した投資行動への関心が高まる中、持続可能な社会の実現や社会的課題の解決に向けた取組みや期待される役割等を、行動憲章に明確化したものである。

 なお、当協会は、本日別途、SDGsに関する推進体制、および主な取組み項目を決定している。

【銀行協会「行動憲章」の制定・改正経緯】

平成17年11月22日 制定

(平成9年9月制定の「倫理憲章」を改定)

平成25年2月14日 一部改定

平成25年11月14日 一部改定

平成30年3月15日 一部改定

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(注1) "Commonwealth Grants Commission(CGC)" は、オーストラリア政府に州政府と準州政府の相対的な財政能力についてアドバイスを提供し、物品サービス税(Goods and Services Tax:: GST)は2000年7月に導入された税金で、オーストラリア国内で消費されるほぼすべての商品、サービスに課される。税率は取引価格の10%)の分配を通知している。CGCはより幅広い財務ポートフォリオの一部である。

CGCは、1933年以来、連邦と州の財政関係において中心的な役割を果たしてきた。1973年連邦交付金委員会法(Commonwealth Grants Commission Act 1973 に基づいて運営されている。CGCは、以下を機能を含む小規模な独立機関である。

① CGCは、各州の相対的な財政能力を測定する方法について決定を下す。

② CGCは、データの収集と評価、および委員会に考慮されたアドバイスを提供するための調査の実施を担当する事務局でもある。

 水平的衡平の原則とは、各州政府が歳入増加のために同等の努力をし、かつ同等の効率性をもって財政運営を行った場合に同等の行政サービス提供能力を保持するよう、連邦政府が州政府を財政支援する原則である。

 連邦交付金委員会(Commonwealth Grants Commission)は、毎年この原則に基づき各州の補正係数を算出する。((財)自治体国際化協会「オーストラリアとニュージーランドの地方自治」 P.50以下から一部抜粋)。

 CGCは州政府および準州政府と緊密に協力して、相対的な財政能力を反映したGST収入の分配に関する推奨事項を作成する。 

【CGC組織図】

(注2)オーストラリアの”緊急車両隊員勲章(Australian Service Medal:ASM)”は総督は、適切な連邦、州、および準州の大臣からの推薦に基づいて救急車サービス勲章を授与する。ASMやPSMの受賞者は名前の後に置かれ、個人が保持する地位、学位、資格、任務、軍事褒章や栄典、または修道会やフラタニティもしくはソロリティへの所属等を示す文字列(post-nominal initials)であり、日本語における「肩書き」にも相当する?。

(注3) ”Public Service Medal(PSM)”(公務員勲章) は、優れたサービスに対してオーストラリアの公務員(すべてのレベル)に授与される市民章である。PSMは1989年に導入され、1975年に廃止された帝国賞に取って代わり、同年に導入されたオーストラリア勲章を補完した。

(注4) 「銀行、年金および金融サービス業界における不正行為に関する王立委員会(Royal Commission into Misconduct in the Banking, Superannuation and Financial Services Industry)」最終報告の概要 を仮訳する。

「銀行、年金および金融サービス業界における不正行為に関する王立委員会」は本報告をもって終了した。

 本委員会のコミッショナーであるケネス・マディソン・ヘインAC QC名誉委員(Hon Kenneth Hayne AC QC)は、2019年2月1日に総督に最終報告書を提出した。最終報告書は、2019年2月4日に議会に提出された。委員会は、2017年12月14日にオーストラリア総督、ピーター・コスグローブAK MC閣下(Retd)によって設立されている。

Hon Kenneth Hayne AC QC 氏

 なお、同サイトによると公的意見総数は10,323件、その内訳はBanking 業界61%、年金関係12%、Financial advice 関係9%である。

 最後に、王立委員会についてデロイト・トーマツの補足解説を抜粋、引用する。

「乱暴な訳し方をすると「第三者委員会」であり、司法機関に準じた機能をもっている。その調査結果は「報告書」として政策提言も含み発表される。なお「王立委員会」と呼ぶのは、英国王の代理人であるオーストラリア総督が付与する Letters Patent(許可状)をもって設置することに拠るようである。

その正式名称(Royal Commission into Misconduct in the Banking, Superannuation and Financial Services

Industry)が指すとおり、Banking Royal Commission は金融セクターの不適切な行為を調査することを目的としている。野党・労働党を中心に予てから Royal Commission の設置を求めていたものの連邦政府は一貫して反対してきた。しかし政局混乱の収拾のため 2017 年 12 月に Turnbull 前首相・Morison 前財務相(現首相)が設置を発表した。2018 年 9 月に中間報告書が出され、最終報告書は 2019 年 2 月を予定している。

金融セクターは豪州 4 大銀行を中心にコングロマリットを構成しており、保険・リース・退職年金等の事業を傘下に持つ。さらに垂直統合も進んでおり、例えば退職年金では、基金の管理受託、その運用アドバイス、また運用商品の販売などを行っている。中間報告書では金融コングロマリット、とりわけ垂直統合モデルにおける利益相反、また ASIC

(Australian Security and Investment Committee:豪州証券投資委員会)の監督機能の合理性に疑問を投げかけており、現在の金融セクターの「事業のあり方」そのものについて疑義を呈する内容になっている。以下、略す。

(注5) 不名誉な支払い料金とは、返済料金とも呼ばれ、支払いを試みたが、その費用を賄うのに十分な資金がない場合に受け取る料金をいう。

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