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カリフォルニア州司法長官ハビア・バセラ氏の保健福祉省長官指名と議会上院における公聴会ならびに承認採決の僅差結果

 バイデン政権の今後を占ううえで欠かせない閣僚人事に関し、新たな動きがみられた。

 すなわち、AP通信は(https://www.wtnh.com/news/health/becerra-confirmed-to-head-up-bidens-ambitious-health-agenda/)は次のとおり報じた。

 「連邦議会上院 は3月18日木曜日、カリフォルニア州司法長官のハビア・バセラ(Xavier Becerra)氏(1958生まれ)をジョー・バイデン大統領がおす保健福祉省(U.S. Department of Health and Human Services (HHS) )(https://www.hhs.gov/about/index.html)長官として承認し、政府のコロナウイルス対応と、薬剤費の削減、保険適用範囲の拡大、医療における人種格差の解消という野心的な推進において重要な位置を占めることとなった。」

Xavier Becerra 氏

 バイデン大統領はカマラ副大統領(元カリフォルニア州司法長官)に引き続き、バセラ長官を連邦政府の代表機関である保健福祉省の長官に指名する本当の理由はどこにあるのか。

 確かに、閣僚人事をきめるうえで、多民族国家米国の統一化、結束を強く訴える大統領の考えは、理解できる。しかし、大統領の本音はそれだけではあるまい。長期民主党政権の維持野ための人事の若返り、世界的に見た知名度、行政手腕などの要素を踏まえれの判断かもしれない。

 ところで、筆者は歴代のカリフィルニア州の司法長官とはメールのやり取りしており、両氏の今回の就任は”Congratulation”と言いたいだけでなく、わが国の対米戦略を考えるうえで両氏との率直な意見交換も行いたいという気持ちがある。

 他方、筆者が強く興味があるのは、今回の人事の例にみられるとおり、民主、共和党が党員数が僅差な議会運営の難しさである。

 その意味で、今回の議会上院公聴会でのバセラ氏の陳述内容、また反対議員の発言内容等につき直接確認したと考えていた。

 これらの情報を探るうえで重要な公式動画情報源は上院の場合は”Floor Webcast”、下院では”House Live”である。(注1) また、米国ではこれらの情報は”youtube ”でも確認できるが、この場合のyoutubeは編集者が議員の強力な支持者の場合も多く、必ずしも内容が中立でない場合が多いのであくまで公式動画を見るべきである。

  今回のブログはAP通信記事の内容、”Floor Webcast”サイトをもとにその見方ならびにXavier Becerra氏の公聴会の発言の模様を一部抜粋するものである。

1.議会上院での指名反対意見に関するAP通信記事とyoutube 動画 (注2)

 賛成50票、反対49票の僅差であったが、多数派である民主党路線の投票により、63歳のバセラ氏はラテン系アメリカ人として初めて保健福祉省を率いることになる。 1.4兆ドル(約151兆円)の予算を担う同省の責務 は、健康保険プログラム、医薬品の安全性と承認、高度な医学研究、薬物乱用治療、および米国とメキシコの国境に毎日到着する数百人の中央アメリカ移民を含む子供たちの福祉等が含まれる。(以下、略す)。

 マーシャ・ブラックバーン(Marsha Blackburn)上院議員(共和党・テキサス州1952年生まれ)は、上院公聴会の発言で、バイデン大統領のHHS長官候補であるカリフォルニア州司法長官ハビア・ベセラをいた。また、一部の共和党上院議員は、パンデミックの間、医療経験のない元弁護士であるベセラ氏は幅広いポートフォリオを持つ1.4兆ドルの予算規模をもつ連邦機関であるHHS長官の資格がないと主張した。上院は、彼をブランド化しようとした共和党員からのほぼ全会一致の反対にもかかわらず、3月18日に保健福祉省の長官としてハビア・ベセラ氏を承認する準備ができていた。3月18日の賛成50票、反対49票で、上院は、HHSを統括・管理するために、「極左のイデオロギー」を持つ「長官として資格のない」弁護士であるハビア・バセラを承認した。バセラ氏の「パルチザン戦争と彼の極左イデオロギー」を非難したのは上院の少数派指導者で通称ミッチ・マコーネル(アディソン・ミッチェル・マコーネル・ジュニア( Addison Mitchell McConnell, Jr)であり、また国民の生命の権利の大統領であるキャロル・トビアス( Carol Tobias)が意見を述べた。 

Marsha Blackburn 氏

Addison Mitchell McConnell, Jr 氏

 Addison Mitchell McConnell, Jr議員は2007年1月3日より上院少数党院内総務を、2015年1月3日より上院多数党院内総務を務めている。バプテスト教会のである。ミッチ・マコーネル(Mitch McConnell)と通称される。(Wikipedia ~抜粋)

Carol Tobias氏

CAROL TOBIAS is president of the National Right to Life Committee (NRLC)

https://www.nrlc.org/6-2/national-right-to-life-president-carol-tobias/

ノースダコタNational Right to Lifeサイトによると同グループが上程した法案には次にあげるもの(SB2030)などがある。

  同団体は中絶反対の立場をとる人びとはプロ・ライフと呼ばれる。中絶反対を最初に訴えたのはカトリック教会であった。彼らは「人間の生命は受胎の瞬間から始まる。よって受精卵や胎児は1人の人間であり、中絶は殺人である」と主張し、全米生存権委員会(National Right to Life Committee:NRLC)、生命を守る活動委員会を組織してきた。カトリックの立場では強姦、近親相姦の結果妊娠したとしても中絶は認められない。(川口洋介「」人工妊娠中絶問題~クリントン政権以降の政策とプロ・ライフ~)(http://fs1.law.keio.ac.jp/~kubo/seminar/kenkyu/mitasai/2002/08kawaguchi.PDF)から一部抜粋

【SB2030 法案】

高等教育チャレンジマッチング助成金プログラムのために州の高等教育委員会に予算を提供する法律案:

 妊婦の死を防ぐために中絶が必要であり、参加していない場合を除き、中絶を実行または促進する個人または組織に対して、後援、提携、助成金の申請、または助成金のサブアワードを提供する機関は除外されるべきである。または、通常の出産と中絶の間で、通常の出産を優先、奨励、およびサポートしない、あらゆる種類または組織からの資料を作成、配布、公開、配布、承認、または承認するプログラムを支援する内容とする法案。 

2.連邦議会上院の法案、長官指名等にかかる審議の公開動画の見方

(1)連邦議会上院 Floor Webcast ハビア・バセラ(Xavier Becerra)保健福祉省長官指名に関する公聴会の動画

https://www.senate.gov/floor/

(2)Nominations を選ぶ

 

https://www.senate.gov/legislative/nominations_new.htm

https://www.congress.gov/search?q={%22source%22:%22nominations%22,%22search%22:%22Xavier+Becerra%22}&searchResultViewType=expanded

******************************************************************

(注1) 連邦議会上院におけるバイデン大統領のバセラ氏の保健福祉省長官指名に関する承認に関する審議の動画がyoutubeで見れる。(https://www.youtube.com/watch?v=oCXoeg4fqrM)

「GOP Senator ROASTS Xavier Becerra: "UNQUALIFIED AND DANGEROUS"

YouTube · 152,000 回以上の視聴 · 2021/02/23 · 制作者 Forbes Breaking News」である。

Gop Senator Roasts Xavier Becerra Unqualified And Dangerous

(注2) 大蔵 綾子「欧米の議会における審議の録画の作成、移管及び利用―アメリカ、イギリス及びドイツとわが国の比較―」(が詳しく解説している。

 大原氏が指摘しているとおり、わが国の国会の動画記録はLive中継録画後、一定保存後、ウェブサイトから削除されてしまう。要するに主権者たる国民は議員候補につき国会や市議会でのは発言内容を知らないままに相変わらず選挙ポスターや選挙公報で投票しているのである。

【要旨部分を抜粋する】

公文書等の管理に関する法律が2011年に施行された。同法の残された課題のつに国会の文書管理が挙げられる。同法第14条に基づき、国会は公文書の適切な保存のため必要な措置を講じなければならないとされる。衆参両議院は公文書管理法の施行に対応し、従来の文書管理に関する規程を改正した。当該規程において規定される「文書」には、国の行政機関と同様に電磁的記録も含まれる。国会が作成する電磁的記録のうち最も重要かつ固有なもののつに審議の動画があり、議員の発言が記録される。審議の動画は衆参両院においてインターネットを通じて中継され、中継の終了後は各院のウェブサイトで一定期間保存される。しかし、審議の動画は数年後にウェブサイトから削除され、その後の保存状況については明らかになっていない。そのため、一般の者が審議の動画を遡及的に入手することは困難である。そこで本研究では、先進諸国のうちアメリカ、イギリス及びドイツにおける審議の録画の作成、利用及び移管について調査し比較した。その結果、これらの国では審議の録画は公文書館に移管され一般の利用に供されていることが分かった。

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