スキップしてメイン コンテンツに移動

「連邦証券取引委員会の最終的なクラウドファンディング規則の採択に関する検討レポート」

 

 筆者の手元にコロンビア大学ロースクールのブログ「ラザム・ワトキンズ法律事務所は、連邦証券取引委員会(SEC)の最終的なクラウドファンディング規則の採択結果につき検討」が届いた。

 すでに、筆者はSECの10月30日のリリース文および「最終規則(Final Crowdfunding Rules)」等は読んでいたが、本ブログで取り上げるタイミングを考えていた。 (注1) 

 そのような中で、コロンビア・ロースクールのほかハーバード・ロースクールの「企業統治と金融規制に関するフォーラム(Harvard Law School Forum on Corporate Governance and Financial Regulation)」サイトのレポート(Andrew J. Foley, Paul, Weiss, Rifkind, Wharton & Garrison LLP 、 ”SEC Adopts Final Rules for Crowdfunding”を読んで、消費者保護等の観点からわが国でもその内容を正確に理解すべくと考え、本ブログを改めて書き始めた。

   特に、本文で述べる「JOB Act立法」や「クラウドファンディング規則」の立法措置の背景には米国の金融政策があることは言うまでもない。証券取引法の例外規定等もあり、十分精査されるべき内容を含む。 

 SECの最終規則の内容はわが国でも、関係調査機関等が取り上げ解説を加えるであろうが、先行したかたちでコロンビア・ロースクールのレポートを中心にすえて、取り上げるものである。 (注2)わが国の関係者により一層内容が深化されることを期待する。 

 なお、コロンビア・ロースクールのブログ原本は、全11頁と大部である。筆者は別途の業務をかかえているので、本テーマは分割かつ順次取り上げることとする。 

1.SEC「クラウドファンディング規則(Final Crowdfunding Rules)の要旨

  2015年10月30日、米国証券取引委員会(SEC)は会社が「クラウドファンディング 」を介して証券の売り出し、販売の許可に関する最終規則(「クラウドファンディング規則(Final Crowdfunding Rules)」(以下「規則」という)を採択した。 (注3) 

  規則は、 「2012年新規事業活性化法(Jumpstart Our Business Startups Act (JOBS Act))」第3編 (注4)において義務化されているとおり投資家による一定の限度額を前提にクラウドファンディングンの購入を可能とし、また発行者にはその業務内容や売り出し内容に関する情報を開させるため規則に準拠することを求める。特に、規則は投資家が投資できる金額は所得や資産によって異なるものとするすなわち、法人・個人をとわず、(1)12か月間に総計で1,000,000米ドルを超えてはならない。(2)個人の場合、年間所得または純資産が100,000ドル未満の者は、12か月間に総計で①2,000米ドル、または、②所得または純資産の5%のいずれか大きい金額まで投資できる。年間所得と純資産(の両方)が1,000,000米ドル以上の者は、12か月の総計で所得または純資産のいずれかの10%まで(100,000米ドルを超えな額)投資することができる。 (注5) 

 規則は、特に証券の発行人に対する1933年証券取引法(Securities Act)の登録条件を免除し、さらに、通常の証券の小売(不適格な投資家)を含むさまざまな投資家に公開する証券の売り出しを特に許す。しかし、以下で詳述するとおり、小規模会社に比較的低い投資限度額を定め、また規則の複雑さと関連する法令遵守経費を与えられる規則をどの程度利用するかは明らかでない。

  すなわち、発行人は、発行人が使うかもしれない他の利用できる免除が、「SEC規制A+」 (注6)「レギュレーションD」、「ルール506(c)」を利用して一般的勧誘により資本を集めることに依存することをその代わりに選ぶかもしれない。 (注7) 

 規則に依存するすべての証券業務は、SECに登録された仲介者(ブローカー・ディーラーまたは「ファンデイング・ポータル(funding portal)」を通して行うことが求められる。起こることも要求される。そして、それは登録されたブローカー・ディーラーより限られた活動に従事するとなる規則によってつくられる新しい型の登録済の仲介者となる。

 クラウドファンディングの売り込みをはかる仲介業者は、提供品(発行人の証券の形の補償を含む)をクラウドファンディングの勧誘を容易にすることに関連して、一定の制限下で発行人や投資家から報酬を受領しうる。特定の規制を前提として、仲介者(発行人を含む)は第三者にプラットホームで人々に仲介者のクラウドファンディングしているプラットホームや発行人の売り込み品を参照させることを補償もするかもしれない。売り込み品をクラウドファンディングの仲介者には、広範囲な法令遵守義務(以下に限られない)が課される: (注8)

・投資家に特定の教材を提供すること。

・詐欺のリスクを減らすための特定の処置をとること。

・会社がプラットホームで一般に利用できて明らかにすることを要求される情報を作成すること。

・プラットホームで売り込みに関する議論を許すために通信チャンネルを提供すること。

・仲介者が受領する報酬について発表を投資家に開示すること

・投資限界に対応した投資家を信じているための合理的な根拠を持っていること。

・特定の通知と確認手段を提供すること。

・ファンドについて、報酬、キャンセル時の扱い、売り込み条件の再確認等と同様に特定のメンテナンス義務や伝達義務を遵守すること。

*************************************************************************************.

Copyright © 2006-2015 芦田勝(Masaru Ashida).All Rights Reserved.You may reproduce materials available at this site for your own personal use and for non-commercial distribution.

コメント

このブログの人気の投稿

米国CFTCがオハイオ州の男性とその所有企業をデジタル資産取引スキームにおける1200万ドル(約16億214万円)以上の不正勧誘と不正流用を理由に民事起訴

     米国の 商品先物取引委員会(CFTC) は8月12日、オハイオ州ニューオルバニー市住の ラスナキショア・ギリ(Rathnakishore Giri) と彼が所有するオハイオ州に本拠を置く NBD Eidetic Capital, LLC および SR Private Equity, LLC に対して、オハイオ州南部地区連邦地方裁判所に 民事法執行訴訟 を起こしたと 発表 した。   同訴状 は、ギリと彼の会社が150人以上の顧客から1200万ドル以上と少なくとも10ビットコインを不正に勧誘し、またギリと彼の会社がデジタル資産取引を目的とした顧客資金を不正に流用したと主張している。  さらに訴状は、ギリの両親であるギリ・スブラマニ(Giri Subramani)とロカ・パヴァニ・ギリ(Loka Pavani Giri)を、正当な利害関係のない資金を所有している 救済被告 (注1) として起訴している。  今回のブログは、(1)本起訴の詳細、(2)CFTC/SECの投資家アラート:ビットコイン先物における資金取引の注意喚起の概要について概観する。 1. 起訴の内容  CFTCは、その継続的な訴訟において、詐欺被害にあった顧客への補償(restitution)、不正に得た利益の返還(disgorgement of ill-gotten gains)、民事上の金銭的罰則(civil monetary penalties)、恒久的な取引および登録禁止(permanent trading and registration bans)、および 「商品取引法(Commodity Exchange Act :CEA)」 および 「CFTC規則(CFTC regulations)」 のさらなる違反に対する永久的差止命令(permanent injunction)を求めている。 2.本事件の背景  訴状は、2019年3月頃から現在まで、被告が運営しているとされるさまざまなデジタル資産投資ファンドに投資するために、少なくとも150人の顧客から1200万ドル以上と10ビットコイン以上を勧誘し、受け入れた詐欺的なスキームに関与したと訴えている。同訴状によると、被告は顧客への勧誘において、利益の保証やギリのデジタル資産トレーダーとしての成功話など、多数の虚偽で誤解を招くような声...

米大統領令(EO: Executive Order 14110)の具体的内容と意義およびそれに基づく責任の履行を支援するためNIST「情報提供依頼文書 」の具体的内容

   筆者は、12月6日の本ブログで2023年10月30日の大統領令(EO: Executive Order 14110)(以下、「EO」という)を受けたNISTの具体的行動につき 「 NISTからこのほど公開された「 NIST SP 800-226 草案」および「差分プライバシー保証を評価するためのガイドライン草案」に対するパブリックコメントの背景と意義」 を取り上げた。  しかし、執筆後もいまいち大統領令(EO)のファクトシートも含め真の目的や商務省の規則案のとりまとめ期限など疑問点が残されていた。その内容を補完する意味で今回のブログで補筆するとともに、後段でNISTが2024年2月2日を期限として発布した「情報提供依頼文書 (Request for Information (RFI) )」の概要について解説を試みる。  また、本ブログでは、わが国では詳しく論じられていない米国「国防生産法(Defense Production Act of 1950 :DPA)」の意義と最新動向にも言及した。  なお、今回のブログの内容は12月6日の筆者ブログと重複する部分が一部あるが、 Kilpatrick Townsend & Stockton LLPの和文解説 と併せ読まれたい。 Ⅰ.大統領令 (EO: 14110) の具体的内容の解析    JD Supra, LLCの 「The highly-anticipated US Executive Order on artificial intelligence: Setting the agenda for responsible AI innovation」 を要約しつつ仮訳する。  このEOは、多くの点で AI に関するこれまでのバイデン政権の行動を超えている。 この広範囲かつ堅牢な大統領令は、AI を規制するために既存の当局を利用することを想定して、米国の行政部門および政府機関 (機関) に、①標準、②フレームワーク、③ガイドライン、④最善実践内容を開発するよう指示した (また、独立機関にも同様に奨励する)。 また政府機関は、AI の責任ある使用に関係するほぼすべての連邦法、規則、政策に対して具体的な措置を講じる必要があるとする。  EOは、AI の使用から得られる利点を認識する一方で、国家...

DONATE(ご寄付)のお願い

  本ブログの継続維持のため読者各位のご協力をお願いいたします。特に寄付いただいた方で希望される方があれば、下記の筆者のメールアドレス宛にご連絡いただければ個別に対応することも検討中でございます。   ◆みずほ銀行 船橋支店(店番号 282) ◆普通預金 1631308 ◆アシダ マサル ◆E-メールアドレス:slutian165@gmail.com   【本ブログのブログとしての特性】 1.100%源データに基づく翻訳と内容に即した権威にこだわらない 正確な訳語づくり 。 2.本ブログで取り下げてきたテーマ、内容はすべて電子書籍も含め公表時から即内容の陳腐化が始まるものである。筆者は本ブログの閲覧されるテーマを毎日フォローしているが、10年以上前のブログの閲覧も毎日発生している。 このため、その内容のチェックを含め完全なリンクのチェック、確保に努めてきた。 3.上記2.のメンテナンス作業につき従来から約4人態勢で当たってきた。すなわち、海外の主要メディア、主要大学(ロースクールを含む)および関係機関、シンクタンク、主要国の国家機関(連邦、州など)、EU機関や加盟国の国家機関、情報保護監督機関、消費者保護機関、大手ローファーム、サイバーセキュリテイ機関、人権擁護団体等を毎日仕分け後、翻訳分担などを行い、最終的にアップ時に責任者が最終チェックする作業過程を毎日行ってきた。 このような経験を踏まえ、データの入手日から最短で1~2日以内にアップすることが可能となった。 なお、海外のメディアを読まれている読者は気がつかれていると思うが、特に米国メディアは大多数が有料読者以外に情報を出さず、それに依存するわが国メデイアの情報の内容の薄さが気になる。 本ブログは、上記のように公的機関等から 直接受信による取材 → 解析・補足作業 → リンク・翻訳作業 → ブログの公開(著作権問題もクリアー) が行える「 わが国の唯一の海外情報専門ブログ」 を目指す。 4.内外の閲覧者数の統計数(google blogger and WordPress) (1)2005.9~2017.8 全期間の国別閲覧数 (2) 2016.8~2020.8 WordPress 世界的な閲覧者数 4. 他にない本ブログの特性: すべて直接、登録先機関などからデータを受信し、その解析を...