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米国連邦商務省・国勢調査局が実施する「2012年経済国勢調査」の意義とわが国ビジネス等にとっての研究課題

 


 わが国の製造・サービス産業等にとって米国市場は海外進出の観点から見た最大のビジネス目標であることはいうまでもなかろう。広大な国土を持ち異なる商習慣や制度等を持つことからビジネス展開の在り方研究はわが国の関係業界にとって極めて重要な経営課題である。

このような観点から考察する上で重要な情報源といえるのが、5年ごとに連邦商務省国勢調査局が実施する「経済国勢調査(Economic Census)」である。
 今回のブログは、わが国で行われている詳細な情報分析の前提となる米国の産業・経済分析の実態を正確に理解する意味で重要な意義をもつ「経済国勢調査」に連邦政府がどのように取り組んでいるかにつき概観する。

 なお、2012年3月に日本貿易振興機構(ジェトロ)が「米国有望製品・サービス市場調査 ~米国市場を目指す日本企業の取り組み事例~」を公表している。本資料は、2011年1月~2012年3月にかけて、ジェトロが発行する世界のビジネスニュース日刊通商弘報に掲載された企業などの対米展開事例集である。全316頁にわたる大部な資料であるが、その解析内容は極めて意味のあるものといえる。
 (筆者注)

1.「2012年経済国勢調査」実施の概要
 本調査は合衆国法典第13編「国勢調査」(Title 13,U.S.Code)に基づき義務化されているもので、約400万社以上の企業が対象となる。2012年10月以降に大中企業は最小規模の企業に送られる記載見本と同様の記入用紙を受け取る。なお、記入回答方法は紙または電子的報告による選択肢が用意される。
 本調査結果は、2013年2月12日に還元される。

2.経済国勢調査に向けた国勢調査局の対応・準備
 同調査局は2012年9月10日、経済国勢調査の実施促進目的で“Economic Census/business census.gov”サイトを立ち上げた。同サイトは商業組合、商工会議所、メディア、公的機関が公表するために使用できるようビデオ、概要説明、物語性を持った考えおよび多くの人が関心を寄せるであろうポイントを含む。また、地域コミュニティや企業のオーナーに対する経済発展、経営意思決定および戦略計画立案等を提供する情報をも提供する。

 さらに、同サイトは特定の産業分野のビジネスに合致した形での情報資産を提供する。これら情報供給資産の1つである“business.census.gov/franchising.”は米国内の300以上のフランチャイジィング産業のビジネスをカバーする。
同時に、本サイトは各企業が2012年秋の調査対応を準備すべく経済国勢調査にかかる書式のサンプルへの直接リンク可能である。

 さらに、前回調査である「2007年経済国勢調査」からフランチャイズに関する包括的報告のハイライト部分および国際フランチャイズ協会(IFA)代表取締役Stephen J. Caldeira のビデオメッセージの閲覧も参考となろう。

3.経済国勢調査の意義と目的
 経済国勢調査は経済指標の基本的構成要素となる正確な評価基準(ベンチマーク)である国内総生産(GDP)、月間小売売上高(monthly retail sales)および生産者価格指数(Producer Price Index)等を提供する。また、同調査は米国における民主主義を形成するものとして州、地方政府、連邦議会やコミュニティのリーダーにとっての決定にかかる詳細な情報を提供する。

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(筆者注) これらの業種についてまとめるに当たり、同報告書では地域区分として、「全体」には米国全体につき、「地域」には原則として米国国勢調査(Census)が利用している次の4地域区分を採用している。(1)西部地区(West):人口 7,157万人(米国全体の23.3%) GDP 3兆4,420億ドル 1人当たりGDP 4万8,000ドル 、(2)南部地区(South):人口 1億1,332万人 (米国全体の37.0%) GDP 4兆8,553億ドル 1人当たりGDP 4万2,800ドル 、(3)北東部地区(Northwest): 人口 5,528万人 (米国全体の18.0%) GDP 2兆8,764億ドル 1人当たりGDP 5万2,000ドル 、(4) 中西部地区(Midwest):人口 6,684万人 (米国全体の21.8%) GDP 2兆8,539億ドル 1人当たりGDP 4万2,700ドル 。

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