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米国フィラデルフィア連銀「なりすまし詐欺犯罪の法的定義をめぐる議論はこれ以上必要か?

 

Last Updated:March 15,2021
 

 個人信用情報で社会生活が成り立っているといわれる欧米で「なりすまし詐欺(Identity Theft)」をめぐる犯罪予防政策、立法論など毎日報道されている。フィラデルフィア連銀は中央銀行であるがその中に「ペイメント・カード・センター(Payment Cards Center)」(注1)が設置されており、同センターの任務は連邦準備制度の維持だけでなく、産業界、その事業者、研究分野、政策立案者、その他公的な研究機関が関心を持つ消費者支払いに関する意義ある洞察などである。より正確にいうとフィラデルフィア連銀の”Consumer Finance Insitute”の中に同センターがある。したがって同センターの研究成果などは、まずCFIの”Consumer Finance Literrature Database”

に移動し、さらに”Consumer Finance Insitute”のキーワード検索で確認できる。

検索結果例

 

 このほど、同センターは①2005年6月に行われたシンポジューム「連邦における消費者保護規制の在り方:クレジットカードにおける公開問題と消費者保護面の更なる課題」の概要、②「なりすまし詐欺」についての議論をより効果的なものにするための4つのタイプに再分類した議論書(Discussion Paper:DP05-10)を公表した。

 今回は後者について紹介する。


「なしすまし詐欺問題:その法的定義の明確化はなお必要か(要旨)」
 なりすまし詐欺の関する各制定法における定義にもかかわらず、貸付業者、金融機関だけでなく、立法者、法執行機関によって「なりすまし詐欺令状」に関し更なる定義の区分・取扱いをめぐって金融詐欺の間にどのような差異があるのか、この議論がなお続いている。筆者であるジュリア・S・チェイニィーは4つ金融詐欺のタイプーすなわち、①架空のなりすまし詐欺(fictitious identity fraud)、②支払いカード詐欺(payment card fraud)、③口座盗取詐欺(account takeover fraud)、④本物の氏名による詐欺(true name fraud)―に分類した。これは、消費者・貸し手のリスク、盗取される情報のパターンによるリスク軽減化戦略、危うい口座のタイプ、金融利益の取得の機会といったより正確な犯罪行動パターンにもとづく「なりすまし」について法律用語を分類することである。著者の視点は、効果的な解決につながるこのうち3つの分野は更なる定義の描写から次のようなメリットが得られるとしている。すなわち、これらの犯罪と戦いに成功または失敗することの方法論の策定、消費者がこれらの犯罪のリスクを理解し戦うための消費者教育のあり方、問題の主導者ならびに地理的観点から犯罪の軽減化と協調関係が生まれるとしている。

【補追】March 15,2021

筆者は2005年当時は以下のURLでフィラデルフィアFRBのサイトのDiscussion Papers(DP 05-10)に行きつくことができ、本ブログを執筆した。しかし今回の更新作業では行きつけなかった。

このため、筆者が行ったFRBのDiscussion Papersに行き着く手順を具体的に説明すべく、別途ブログを執筆する。

〔参照URL〕
http://www.philadelphiafed.org/payment-cards-center/publications/discussion-papers/2005/identity-theft-definitions.pdf
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(注1)2017年に発足したフィラデルフィア連邦準備銀行の”Consumer Finance Instituteは、フィラデルフィア連邦準備銀行の署名イニシアチブである。これは、2000年にフィラデルフィアFRBのペイメントカードセンター(Payment cards Center)が設立され、ペイメントカードと金融システムおよびより広範な経済におけるそれらの役割に焦点を当てた、数十年の研究経験に基づいている。

長年にわたり、追加のトピックがこの一連の作業に統合され、最終的には研究所の設立につながった。我々のの研究アジェンダは、消費者金融と支払いの専門家を他の重要な視点と結びつけ、消費者金融と健全な経済におけるその役割の理解を深めることである。

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(今回のブログは2005年8月27日登録分の改訂版である)
                            
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