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オーストラリアにおける政府スマートカード仕様の枠組み案が公表される

 


 Last Updated:March 29,2021

 英国では議会を中心に国民IDカード法案をめぐる国内の論議が急速に高まっているが、オーストラリアでも電子政府の更なる強化に向けた課題やその効果をめぐる議論が高まりつつある。同国政府の財政・規制緩和省( Department of Finance and Deregulation (Finance:Finance) (注1)「情報管理局(Information Management Office)」のサイトでは以下のような主要課題をあげて取り組んでいるが、このほど政府の効率性の高い情報技術のインフラ構築の中心となる「Australian Government Smartcard Framework ドラフト0.19版 」(96頁)(注3)が公表された。

 当然のことながら、そこに反映している考えは、「将来に向けた公的機関における相互運用性と投資コスト削減」である。さらに米国の米国商務省標準化技術研究所(NIST)のマルチ利用基準であるFIPS201(注4)、PC/SC コンソーシアム( Personal Computer/Smart Card事業体)(注5)に準拠している。
 わが国の電子政府構築上の課題の1つが国民IDカードであることは間違いなかろう。

 なお、「オーストラリア政府Smartcard Framework」はその後改訂され、現在「財務・規制緩和省・情報管理局(AGIMO)」:電子政府・情報管理(e-Government & Information Management):ICT Security & Authentication:「National Smartcard Framework」サイトで見る内容は2008年12月に「オンラインおよび通信評議会(Online and Communications Council :OCC)」10/24(21)(注6)が推奨したものである。

〔オーストラリア電子政府の主要課題〕
①より良い政府(電子政府における戦略的助言、開発要求とその価値についての調査、電子政府による利益の研究、情報管理戦力委員会等)
②より良いオーストラリア連邦議会・連邦政府情報提供のあり方(政府情報へのアクセス、オンライン情報サービスについての責務等)
③シームレスかつ利用者に的を絞ったサービスの開発(相互運用性の枠組み、電子化された地域サービス:TIGERS Program、効率的なポータルの構築等)
④ビジネスの改善(政府の電子調達の促進、調査研究報告、デモの実装、指導等)
⑤政府機関のため効率的な費用対効果の実現(スマートカード、オープン・ソース・ソフトウェア、政府ドメイン名の承認、認証技術、政府のオンラインセキュリティの強化、PKIとプライバシー勧告等)
⑥より良い実践(オンラインサービスの配信とそのためにユーザーが利用するチェックリストの作成、政府・内閣等の各部門ウェブサイトの品質向上に向けたガイダンスの策定、提供情報に関する規定・電子出版・記録の保存・アクセスの良さ・セキュリティ・プライバシー、認証などについての最小限の標準化、公的サービス理解向上のためのケーススタディ、相互運用性の枠組み等)

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(注1)”Department of Finance and Deregulation”は2007年12月3日に設置され2013年9月18日、”Department of Finance”に引き継がれた。現在の財務省長官は、ローズマリー・ハクスタブル(Rosemary Huxtable) PSM(注2) 氏である。

Rosemary Huxtable PSM 


(注2) 公務員勲章(PSM)は、優れた奉仕のためにオーストラリアの公務員(すべてのレベル)に授与される市民装飾である。PSMは1989年に導入され、1975年に廃止された帝国賞に取って代わり、同じ年に導入されたオーストラリア勲章を補完している。公務員勲章の受領者は、名義字「PSM」を使用する権利がある。このメダルは、オーストラリア総督、各州または地域の責任大臣の指名、および連邦レベルで毎年2回授与される。(Wikipediaから抜粋、仮訳した)

(注3) オーストラリアのsmart cardの開発経緯の解説例としては、以下のサイトが詳しく解説している。

①オーストラリア法改革委員会(Australian Law Reform Commission)の”Smart Cards”(2010.8.16)(https://www.alrc.gov.au/publication/for-your-information-australian-privacy-law-and-practice-alrc-report-108/9-overview-impact-of-developing-technology-on-privacy/smart-cards/)

②”Australian Acess Card-Needa a Governance Framework”(https://www.ramin.com.au/itgovernance/smartcard.html)

歴史的経緯の解説が中心。

③Australian Privacy Foundation(APF)の”Human Servoces Card”(https://www.privacy.org.au/Campaigns/ID_cards/HSCard.html)は、政府プロジェクトとAPFキャンペーンは、2005年4月から2006年4月26日まで実施された。その後、政府の「ヒューマンサービスアクセスカード」/「スマートカード」/「コンシューマーカード」プロジェクトとAPFの新しい全国IDカードキャンペーンに組み込まれた、等につき解説している。 

(注4) FIPS 201(Federal Information Processing Standards Publication 201)は、連邦政府の職員及び請負業者のための個人識別情報の検証(仮訳:Personal Identity Verification/PIV)の要件を規定する米国連邦標準規格である。

(注51996年5月にフランスのブル(Bull)社を含む主要マイクロ・コンピュータ・メーカーとIC Card(Smart Card)メーカーとのパートナーシップにより発足した団体名。

(注6) Online Communications Council(OCC)は、オーストラリアのICTポリシーが、政府の3つの層にわたってまとまりがあり補完的であることを保証する責任を負うオーストラリアの組織である。 OCCは年に1回開催され、メンバーはオーストラリア政府の通信情報技術・芸術大臣と 、オーストラリア政府特別大臣、各州および準州政府の上級大臣、オーストラリア地方政府協会からなる。 第三セクターの組織や研究機関はメンバーとして含まれていない。(Australian Government Department of Families,Housing, Community Services and Indigenous Affairsの2008年資料(https://core.ac.uk/download/pdf/30687035.pdf)から抜粋、仮訳 )

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(以下の部分は2010年10月21日現在、白紙であるが、適正な委託先が見つかればあらためて検討したい)

標記草案の検討対象者、主な構成と目次内容等は現在仮訳(要約)作業中であり、訳文を希望される方は次のメールアドレスまでご連絡いただければ後日当方から通知する予定である。
なお、従来本ブログで取り上げてきたテーマについて、今後は詳細版は別途メーリングリスト登録者(当分の間、無料)のみ通知する方式に変更するので、詳細資料版を希望される方は個人、法人を問わず下記内容を記入のうえ申し込んでいただきたい。また、登録いただいた内容については、2003年個人情報保護法ならびに関係省庁のガイドラインに基づき「×××」が善良なる管理者の注意義務を厳格に履行し、ブログ情報の発信のみに利用すること、ならびに第三者へ情報提供を行わないこととする。
(1)本件 欄:メーリングリスト申込
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個人の場合:姓名(フリガナ)

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(今回のブログは2005年12月25日登録分の改訂版である)

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