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メキシコのバハ・カリフォルニアを震源地とするマグニチュード7.2大規模地震発生

 2010年4月4日東部標準時午後7時3分、ニューヨークタイムズは次のようなメキシコ北東部で発生したマグニチュード7.2大規模地震を報じた。

 この情報はわが国でもCNNやロイター通信などで簡単な速報で報じられているが、筆者は米国地質調査所(U.S.Geological Survey:USGS)ニューヨークタイムズ(筆者注)等の情報を元により詳しく報じてみた。

1.地震情報の詳細(USGS)
(1)マグニチュード:7.2(震度6.9)
(2)発生時刻:世界協定時刻22時40分40秒(現地時間午後3時30分)
(3)震源地 32.128°N, 115.303°W(バハ・カリフォルニア(メキシコ)のグアダルーペ・ビクトリア(Guadalupe Victoria)の南南西16マイル(約2.6km)でティファナ(Tijuana)東南東の約108マイル(約137km))
(4)震源の深さ 10 km (6.2 miles) (poorly constrained:弱拘束)

2.カリフォルニアやネバダ州等で報告された大地震の状況
 メキシコの南東ティファナで発生した強い地震は、日曜日の午後に南カリフォルニアを震動させた。国境の町はビルが破損し、ロサンゼルスやフェニックスといったメキシコ国境のはるか北に位置し、地震には慣れた人々にも恐怖を与えた。

 シャンデリアが揺れ、家が震動し、揺れがメキシコと米国を強く揺すぶったとき、1分間以上を超えて復活祭礼の拝式から出て来る人々の足の下で地球が滑るように思えた。

 64歳のカールトン・ハーグレーブはアメリカ側の国境の町カレキシコ(Calexico)の自分が経営するファミリィ形式のビュッフェの入口通路に立っていたが、電話取材に対し、震え声で「ほぼ完全に破壊された、店のテーブルをひっくり返り、皿は床に飛び散った。天井はつぶれた。」 「それはすごい揺れであり大地震であった。」と、足が瓦礫、ガラス、および皿の破片をかみ砕いているような音とともに答えた。

 揺れが発生したメキシコの遠隔地からのレポートはなかなか情報が入らず、震動後、メキシコのウェブサイトは2時間以上でつながらない状態であったが、その規模の地震は震源地の近くではおそらく主要な建物の損害や可能な負傷者をもたらしていると見られる。

 ティファナ紙のレポーターは、建物等の損害か負傷の報告はないといっているが、同レポーターは市当局からの明確な情報を待っていた。
 アリゾナ州の南に位置するソノラ州の新聞である「EL Imparcial」は、メヒカリ(Mexicali)のマンションのひび割れやパイプの破損を報告したが、損害はひどくは見えなかった。

 サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙(San Diego Union.Tribune)のウェブサイトによると、震動はサンディエゴで特に強かった。同紙によると、揺れはいくつかの警報機を鳴らし、サンディゴの消防隊・レスキュー隊が出動した。

 今回の地震は浅い深さであると専門家によって考えられており、地下約6.2マイル下で発生した。M 7.2の地震には、大きな破壊を引き起こす力があり、石造りの建物や枠組構造を破壊、また地割れや地滑りの引き金となる力を持つ。 また、水は川岸の破損やレールを曲げることができる。

 余震の報告は少なくとも午後4時9分に発生したティファナの62マイル東でのマグニチュード4.5、午後4時15分のカリフォルニアのインペリアルの近くのマグニチュード5.1、午後4時15分のカリフォルニアのヤカンバ・ホット・スプリング(Jacumba Hot Springs)から12マイル北西でマグニチュード3.8、午後4時19分のカリフォルニアにジュリアンの7マイル北東でマグニチュード3.6、午後4時22分、マグニチュード4.3の揺れ等が報告された。
 
 緊急担当者は、緊急隊員に対し緊急呼び出しのため明確に携帯電話信号を保つためにテキスト・メッセージを使用することでお互いに連絡するよう居住者に促している。

(筆者注) 筆者がニューヨークタイムズの記事を初めに読んだのは日本時間の午前時頃である。現在4月5日午後1時半であるが同紙から更なる新しい情報が加わり紙面の内容は更新されている。

[参照URL]
https://earthquake.usgs.gov/earthquakes/eventpage/ci14607652/executive
http://www.nytimes.com/2010/04/05/us/05quake.html?hp
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