スキップしてメイン コンテンツに移動

海外における新型インフルエンザ感染拡大の最新動向と新たな研究・開発への取組み(N0.9)

  Last Updated: March 5,2021

 WHO等の統計では米国大陸、オセアニア、英国等の確認累計感染者や死者数は引続き拡大傾向にある。今回は、WHOの6月26日公表の累計感染者数や死者数を中心に解説する。
 6月22日比(No.8)で比較すると、これまで累計感染者数の多い国における死者の増加が依然高い水準にある一方で、オーストラリア、アルゼンチンやブラジル等南半球の国々の感染拡大が続いている。
 また、厚生労働省は季節性インフルエンザの流行時期に合わせ全国的かつ大規模な感染拡大が想定されることから、その回避策の一環として従来行ってきた「全数調査」に代えて医療機関、学校等施設等における同一集団での「集団発生(クラスター発生)報告」を実施する方針を打ち出し、併せて監視体制の実施について6月25日付けで各都道府県等の衛生主管部あて事務連絡を発出している。(筆者注1)

1.わが国の最新情報
 2009年6月26日現在の厚生労働省の発表では、日本の新型インフルエンザ感染者数は、1,048人(6月22日比+156人)である。各都道府県別発生状況は厚生労働省サイト「新型インフルエンザに関する報道発表資料」で確認できる。
 なお、過去の増減比を見ようとすると、厚生労働省サイト確認感染者数は都度上書きされてしまうため、過去の感染者数の推移の確認は出来ない。国立感染症研究所の「感染症情報センター」で確認するしかない。

2.WHOの最新発表情報
 WHOの公表確認感染者数(2009年6月26日世界標準時7時現在)(update54)のデータに基づき累計確認感染者数が100人以上の国(31か国)のみ紹介する。(多い順に並べ替えた)

 全体の数字は105か国(6月22日比+11か国)、累計感染者数は59,814人(6月22日比+7,654人)(うち死者は263人(6月22日比+32人))

 「国名」、「累計感染者数(死者数)」、「6月22日比増加数(死者数)」の順に記載した。
①米国:21,449人(うち死者87人(+0人))(+0人)(筆者注2)、②メキシコ:8,279人(うち死者116人(+3人))(+655人)、③カナダ:6,732人(うち死者19人 (+6人) )(+1,022人) (筆者注3) 、④チリ:5,186人(うち死者7人(+3人))(+869人) 、⑤英国:3,597人(うち死者1人(+0人)) (+1,091人) (筆者注4)、⑥オーストラリア:3,280人(うち死者3人(+0人)) (+844人) (筆者注5)、⑦アルゼンチン:1,391人(うち死者21人(+14人)) (+381人)、⑧中華人民共和国:1,089人(+350人)⑨日本:1,049人(+199人)、⑩タイ:774人(+185人)、⑪スペイン:541人(+19人)、⑫ニュージーランド:453人(+195人)、⑬フィリピン:445人(うち死者1人(+0人)) (+101人)、⑭イスラエル:405人(+114人)、⑮ブラジル:399人(+268人)、⑯パナマ:358人(+28人)、⑰ドイツ:333人(+58人)、⑱シンガポール:315人(+143人)、⑲ニカラグア:265人(+76人)、⑳ガテマラ:254人(うち死者2人(+1人))(+46人)、(21)ペルー:252人(+67人)、(22) コスタリカ:222人(うち死者1人(+0人))(+73)、 (23) ウルグアイ:195人(+159人)、(24)フランス:191人(+44人)、(25)エルサルバドル:160人(+0人)、(26) 韓国:142人(+37人)、(27)エクアドル:125人(+30人)、(28)ホンジュラス:118人(うち死者1人(+1人)) (+10人)、(29)オランダ:116人(+25)、(30)ドミニカ共和国:108人(うち死者2人(+1人)) (+15)、(31)イタリア:102人(+14人)

****************************************************************************************************************::
(筆者注1) 厚生労働省の 6月25日付事務連絡は、「新型インフルエンザの国内発生時における積極的疫学調査について」、 「新型インフルエンザにかかる今後のサーベイランス体制について」である。

(筆者注2) 米国CDCが6月26日公表した確認累計感染者数は27,717人(うち死者は127人)である。

(筆者注3) カナダの公衆衛生庁の6月26日現在の公表値は7,775人(うち死者21人)(6月24日比+1,043人(死者+2人))である。

(筆者注4) 英国も感染者数が急増しており、ほぼ毎日、健康保護局サイト(HPA)で更新している。6月26日現在4,250人(6月25日比+653人)である。なお、過去の感染者数のアーカイブはHPAの専門サイトで確認できていた。その後、“Pandemic flu”が収まってきたことから包括的な解説サイトが作成されている。なお、英国HPAの詳細情報(Influenza Pandemic Preparedness Update:HPA Pandemic Influenza Office)は2011年5月10日付けの第7号をもっていったん終了している。

(筆者注5) オーストラリア連邦保健高齢者担当省(DHA)の6月27日現在の公表値は3,519人(死者5人)(6月25日比+239人(死者+2人))である。

〔参照URL〕
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/19.html
http://www.who.int/csr/don/2009_06_26/en/index.html
*************************************************************************************************

Copyright © 2006-2010 芦田勝(Masaru Ashida).All Rights Reserved.No reduction or republication without permission.


コメント

このブログの人気の投稿

ウクライナ共同捜査チームの国家当局が米国司法省との了解覚書(MoU)に署名:このMoU は、JIT 加盟国と米国の間のそれぞれの調査と起訴における調整を正式化、促進させる

  欧州司法協力機構(Eurojust) がウクライナを支援する共同捜査チーム (Ukraine joint investigation team : JIT) に参加している 7 か国の国家当局は、ウクライナで犯された疑いのある中核的な国際犯罪について、米国司法省との間で了解覚書 (以下、MoU) に署名した。この MoU は、ウクライナでの戦争に関連するそれぞれの調査において、JIT パートナー国と米国当局との間の調整を強化する。  このMoU は 3 月 3 日(金)に、7 つの JIT パートナー国の検察当局のハイレベル代表者と米国連邦司法長官メリック B. ガーランド(Merrick B. Garland)によって署名された。  筆者は 2022年9月23日のブログ 「ロシア連邦のウクライナ軍事進攻にかかる各国の制裁の内容、国際機関やEU機関の取組等から見た有効性を検証する!(その3完)」の中で国際刑事裁判所 (ICC)の主任検察官、Karim A.A. Khan QC氏 の声明内容等を紹介した。  以下で Eurojustのリリース文 を補足しながら仮訳する。 President Volodymyr Zelenskiy and ICC Prosecutor Karim A. A. Khan QC(ロイター通信から引用) 1.ウクライナでのJITメンバーと米国が覚書に署名  (ウクライナ)のICC検事総長室内の模様;MoU署名時   中央が米国ガーランド司法長官、右手がICCの主任検察官、Karim A.A. Khan QC氏  MoUの調印について、 Eurojust のラディスラフ・ハムラン(Ladislav Hamran)執行委員会・委員長 は次のように述べている。我々は野心のために団結する一方で、努力においても協調する必要がある。それこそまさに、この覚書が私たちの達成に役立つものである。JIT パートナー国と米国は、協力の恩恵を十分に享受するために、Eurojustの継続的な支援に頼ることができる。  米国司法長官のメリック B. ガーランド(Merrick B. Garland)氏は「米国が 7 つの JIT メンバー国全員と覚書に署名する最初の国になることを嬉しく思う。この歴史的な了解覚書は...

米国連邦取引委員会(FTC)が健康製品に関する新しい拡大コンプライアンスガイダンスを発行

   2022年12月20日、米国連邦取引委員会(以下、FTCという)は、以前の 1998年のガイダンスである栄養補助食品:業界向け広告ガイド(全32頁) を改定および置き換える 健康製品等コンプライアンスガイダンス の発行を 発表 した。 Libbie Canter氏 Laura Kim氏  筆者の手元に Covington & Burling LLPの解説記事 が届いた。筆者はLibbie Canter氏、Laura Kim氏他である。日頃、わが国の各種メディア、SNS、 チラシ等健康製品に関する広告があふれている一方で、わが国の広告規制は一体どうなっているかと疑うことが多い。  FTCの対応は、時宜を得たものであり、取り急ぎ補足を加え、 解説記事 を仮訳して紹介するものである。 1.改定健康製品コンプライアンスガイダンスの意義  FTCは、ガイドの基本的な内容はほとんど変更されていないと述べているが、このガイダンスは、以前のガイダンスの範囲につき栄養補助食品を超えて拡大し、食品、市販薬、デバイス、健康アプリ、診断テストなど、すべての健康関連製品に関する主張を広く含めている。今回改定されたガイダンスでは、1998年以降にFTCが提起した多数の法執行措置から引き出された「主要なコンプライアンス・ポイント」を強調し、① 広告側の主張の解釈、②立証 、 その他の広告問題 などのトピックに関連する関連する例について具体的に説明している。 (1) 広告側の主張の特定と広告の意味の解釈  改定されたガイダンスでは、まず、広告主の明示的主張と黙示的主張の違いを含め、主張の識別方法と解釈方法について説明する。改定ガイダンスでは、広告の言い回しとコンテキストが、製品が病気の治療に有益であることを暗示する可能性があることを強調しており、広告に病気への明示的な言及が含まれていない場合でも、広告主は有能で信頼できる科学的証拠で暗黙の主張を立証できる必要がある。  さらに、改定されたガイダンスでは、広告主が適格な情報を開示することが予想される場合の例が示されている(商品が人口のごく一部をターゲットにしている場合や、潜在的に深刻なリスクが含まれている場合など)。  欺瞞やだましを避けるために適格な情報が必要な場合、改定されたガイダンスには、その適格...

英国の Identity Cards Bill(国民ID カード法案)が可決成立、玉虫色の決着

  2005年5月に英国議会に上程され、英国やEU加盟国内の人権保護団体やロンドン大学等において議論を呼んでいた標記法案 (筆者注1) が上院(貴族院)、下院(庶民院) で3月29日に承認され、国王の裁可(Royal Assent)により成立した。  2010年1月以前は国民IDカードの購入は義務化されないものの、英国のパスポートの申込者は自動的に指紋や虹彩など生体認証情報 (筆者注2) を含む国民ID登録が義務化されるという玉虫色の内容で、かつ法律としての明確性を欠く面やロンドン大学等が指摘した開発・運用コストが不明確等という点もあり、今後も多くの論評が寄せられると思われるが、速報的に紹介する。 (筆者注3) 1.IDカード購入の「オプト・アウト権」  上院・下院での修正意見に基づき盛り込まれたものである。上院では5回の修正が行われ、その1つの妥協点がこのオプショナルなカード購入義務である。すなわち、法案第11編にあるとおりIDカードとパスポートの情報の連携を通じた「国民報管理方式」はすでに定められているのであるが、修正案では17歳以上の国民において2010年1月(英国の総選挙で労働党政権の存続確定時)まではパスポートの申込み時のIDカードの同時購入は任意となった。 2.2010年1月以降のカード購入の義務化  約93ポンド (筆者注4) でIDカードの購入が義務化される。また、2008年からは、オプト・アウト権の行使の有無にかかわりなく、パスポートのIC Chip (筆者注5) に格納され生体認証情報は政府の登録情報データベース (筆者注6) にも登録されることになる。 ******************************************************: (筆者注1) 最終法案の内容は、次のURLを参照。 http://www.publications.parliament.uk/pa/ld200506/ldbills/071/2006071.pdf (筆者注2) 生体認証の指紋や虹彩については、法案のスケジュール(scheduleとは,英連邦の国の法律ではごく一般的なもので、法律の一部をなす。法本文の規定を受け,それをさらに細かく規定したものである。付属規定と訳されている例がある。わが国の法案で言う「別表」的なもの)...