スキップしてメイン コンテンツに移動

海外における新型インフルエンザ感染拡大の最新動向と新たな研究・開発への取組み(N0.8)

  Last Updated : March 5, 2021

WHOの統計を始め各国の確認感染者や死者数は引続き拡大傾向にある。今回はWHOの6月22日公表の累計感染者数や死者数のみ記載する。
 6月19日比で比較すると、これまで累計感染者数の多い国における新規感染者数の増加が依然高い水準にある。
 なお、WHOでみる米国の感染者数の増加が3,594人、死者の増加が43人となっているが、これは6月19日に米国疾病対策センター(CDC)が公表した数字で6月12日比であり、最新の実態を反映したものでない。従って、世界全体の死者数の増加51人のほとんどは米国によるもので、他の国の死者数の増加は1~2人である。
 さらに疑問をあげれば、6月17日以降のWHOの公表するわが国の確認感染者数(厚生労働省公表値)が「1人多く」表示されている。世界的な統計であり確認を求めたい。

1.わが国の最新情報
 2009年6月23日現在の厚生労働省の発表では、日本の新型インフルエンザ感染者数は、892人(6月22日比+43人)である。各都道府県別発生状況は厚生労働省サイト「新型インフルエンザに関する報道発表資料」で確認できる。
 なお、過去の増減比を見ようとすると、厚生労働省サイト確認感染者数は都度上書きされてしまうため、過去の感染者数の推移の確認は出来ない。国立感染症研究所の「感染症情報センター」で確認するしかない。ちなみに米国CDCのサイトでは“Past Situation Updates”、またカナダ公衆衛生庁(PHA)サイトの“Surveillance”の“Archive”で過去の特定日の統計値の確認が容易に出来る。

2.WHOの最新発表情報
 WHOの公表確認感染者数(2009年6月22日世界標準時7時現在)(update52)のデータに基づき累計確認感染者数が100人以上の国(26か国)のみ紹介する。(多い順に並べ替えた)

 全体の数字は94か国(6月19日比+6か国)、累計感染者数は52,160人(6月19日比+7,873人)(うち死者は231人(6月19日比+51人))

 「国名」、「累計感染者数(死者数)」、「6月19日比増加数(死者数)」の順に記載した。
①米国:21,449人(うち死者87人(+43人))(+3,594人) (筆者注1)、②メキシコ:7,624人(うち死者113人(+0人))(+0人) (筆者注2)、③カナダ:5,710人(うち死者13人 (+1人) )(+805人) (筆者注3) 、④チリ:4,315人(うち死者4人(+2人))(+1,190人) 、⑤英国:2,506人(うち死者1人(+0人)) (+754人) (筆者注4)、⑥オーストラリア:2,436人(うち死者1人(+1人)) (+237人)、⑦アルゼンチン:1,010人(うち死者7人(+3人)) (+92人)、⑧日本:850人(+160人)、⑨中華人民共和国:739人(+220人)、⑩タイ:589人(+71人)、⑪スペイン:522人(+10人)、⑫フィリピン:344人(+33人)、⑬パナマ:330人(+58人)、⑭イスラエル:291人(+72人)、⑮ドイツ:275人(+37人))、⑯ニュージーランド:258人(+42人)、⑰ガテマラ:208人(うち死者1人(+0人))(+55人)、⑱ニカラグア:189人(+45人)、⑲ペルー:185人(+44人)、⑳エルサルバドル160人(+0人)、(21) コスタリカ:149人(うち死者1人(+0人)) (+0人)、(22)フランス:147人(+16人)、 (23)シンガポール:142人(+65人)、(24)ブラジル:131人(+35人)、(25)ホンジュラス:108人(+0人)、(26)韓国:105人(+21人)

(筆者注1) 米国の疾病予防センター(CDC)の公表が毎週1回金曜日であるため、このような数値になっている。

(筆者注2) メキシコの場合、6月19日現在の公表値7,624人のまま感染者数の増加がない。その背景について汎米保健機関(PAHO)の公表等にも当ったが、PAHOの最新統計が6月17日現在のため同じ数字である。6月25日未明にメキシコ連邦衛生試験所(SALUD)サイトで確認した結果では、6月23日現在の累計感染者数は8,279人、死者116人である。なお、メキシコにおけるヒトインフルエンザA(H1N1)による死亡率の疫学的プロファイル」はSALUD専門家による解析論文である。

(筆者注3) カナダの公衆衛生庁の6月22日現在の公表値は6,457人(6月19日比+747人)である。

(筆者注4) 英国も感染者数が急増しており、毎日、健康保護局サイト(HPA)で更新している。6月22日現在2,773人(6月21日比+204人)である。

〔参照URL〕
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/19.html
http://www.who.int/csr/don/2009_06_22/en/index.html

***********************************************************************************
Copyright © 2006-2010 芦田勝(Masaru Ashida).All Rights Reserved.No reduction or republication without permission.

コメント

このブログの人気の投稿

ウクライナ共同捜査チームの国家当局が米国司法省との了解覚書(MoU)に署名:このMoU は、JIT 加盟国と米国の間のそれぞれの調査と起訴における調整を正式化、促進させる

  欧州司法協力機構(Eurojust) がウクライナを支援する共同捜査チーム (Ukraine joint investigation team : JIT) に参加している 7 か国の国家当局は、ウクライナで犯された疑いのある中核的な国際犯罪について、米国司法省との間で了解覚書 (以下、MoU) に署名した。この MoU は、ウクライナでの戦争に関連するそれぞれの調査において、JIT パートナー国と米国当局との間の調整を強化する。  このMoU は 3 月 3 日(金)に、7 つの JIT パートナー国の検察当局のハイレベル代表者と米国連邦司法長官メリック B. ガーランド(Merrick B. Garland)によって署名された。  筆者は 2022年9月23日のブログ 「ロシア連邦のウクライナ軍事進攻にかかる各国の制裁の内容、国際機関やEU機関の取組等から見た有効性を検証する!(その3完)」の中で国際刑事裁判所 (ICC)の主任検察官、Karim A.A. Khan QC氏 の声明内容等を紹介した。  以下で Eurojustのリリース文 を補足しながら仮訳する。 President Volodymyr Zelenskiy and ICC Prosecutor Karim A. A. Khan QC(ロイター通信から引用) 1.ウクライナでのJITメンバーと米国が覚書に署名  (ウクライナ)のICC検事総長室内の模様;MoU署名時   中央が米国ガーランド司法長官、右手がICCの主任検察官、Karim A.A. Khan QC氏  MoUの調印について、 Eurojust のラディスラフ・ハムラン(Ladislav Hamran)執行委員会・委員長 は次のように述べている。我々は野心のために団結する一方で、努力においても協調する必要がある。それこそまさに、この覚書が私たちの達成に役立つものである。JIT パートナー国と米国は、協力の恩恵を十分に享受するために、Eurojustの継続的な支援に頼ることができる。  米国司法長官のメリック B. ガーランド(Merrick B. Garland)氏は「米国が 7 つの JIT メンバー国全員と覚書に署名する最初の国になることを嬉しく思う。この歴史的な了解覚書は...

米国連邦取引委員会(FTC)が健康製品に関する新しい拡大コンプライアンスガイダンスを発行

   2022年12月20日、米国連邦取引委員会(以下、FTCという)は、以前の 1998年のガイダンスである栄養補助食品:業界向け広告ガイド(全32頁) を改定および置き換える 健康製品等コンプライアンスガイダンス の発行を 発表 した。 Libbie Canter氏 Laura Kim氏  筆者の手元に Covington & Burling LLPの解説記事 が届いた。筆者はLibbie Canter氏、Laura Kim氏他である。日頃、わが国の各種メディア、SNS、 チラシ等健康製品に関する広告があふれている一方で、わが国の広告規制は一体どうなっているかと疑うことが多い。  FTCの対応は、時宜を得たものであり、取り急ぎ補足を加え、 解説記事 を仮訳して紹介するものである。 1.改定健康製品コンプライアンスガイダンスの意義  FTCは、ガイドの基本的な内容はほとんど変更されていないと述べているが、このガイダンスは、以前のガイダンスの範囲につき栄養補助食品を超えて拡大し、食品、市販薬、デバイス、健康アプリ、診断テストなど、すべての健康関連製品に関する主張を広く含めている。今回改定されたガイダンスでは、1998年以降にFTCが提起した多数の法執行措置から引き出された「主要なコンプライアンス・ポイント」を強調し、① 広告側の主張の解釈、②立証 、 その他の広告問題 などのトピックに関連する関連する例について具体的に説明している。 (1) 広告側の主張の特定と広告の意味の解釈  改定されたガイダンスでは、まず、広告主の明示的主張と黙示的主張の違いを含め、主張の識別方法と解釈方法について説明する。改定ガイダンスでは、広告の言い回しとコンテキストが、製品が病気の治療に有益であることを暗示する可能性があることを強調しており、広告に病気への明示的な言及が含まれていない場合でも、広告主は有能で信頼できる科学的証拠で暗黙の主張を立証できる必要がある。  さらに、改定されたガイダンスでは、広告主が適格な情報を開示することが予想される場合の例が示されている(商品が人口のごく一部をターゲットにしている場合や、潜在的に深刻なリスクが含まれている場合など)。  欺瞞やだましを避けるために適格な情報が必要な場合、改定されたガイダンスには、その適格...

英国の Identity Cards Bill(国民ID カード法案)が可決成立、玉虫色の決着

  2005年5月に英国議会に上程され、英国やEU加盟国内の人権保護団体やロンドン大学等において議論を呼んでいた標記法案 (筆者注1) が上院(貴族院)、下院(庶民院) で3月29日に承認され、国王の裁可(Royal Assent)により成立した。  2010年1月以前は国民IDカードの購入は義務化されないものの、英国のパスポートの申込者は自動的に指紋や虹彩など生体認証情報 (筆者注2) を含む国民ID登録が義務化されるという玉虫色の内容で、かつ法律としての明確性を欠く面やロンドン大学等が指摘した開発・運用コストが不明確等という点もあり、今後も多くの論評が寄せられると思われるが、速報的に紹介する。 (筆者注3) 1.IDカード購入の「オプト・アウト権」  上院・下院での修正意見に基づき盛り込まれたものである。上院では5回の修正が行われ、その1つの妥協点がこのオプショナルなカード購入義務である。すなわち、法案第11編にあるとおりIDカードとパスポートの情報の連携を通じた「国民報管理方式」はすでに定められているのであるが、修正案では17歳以上の国民において2010年1月(英国の総選挙で労働党政権の存続確定時)まではパスポートの申込み時のIDカードの同時購入は任意となった。 2.2010年1月以降のカード購入の義務化  約93ポンド (筆者注4) でIDカードの購入が義務化される。また、2008年からは、オプト・アウト権の行使の有無にかかわりなく、パスポートのIC Chip (筆者注5) に格納され生体認証情報は政府の登録情報データベース (筆者注6) にも登録されることになる。 ******************************************************: (筆者注1) 最終法案の内容は、次のURLを参照。 http://www.publications.parliament.uk/pa/ld200506/ldbills/071/2006071.pdf (筆者注2) 生体認証の指紋や虹彩については、法案のスケジュール(scheduleとは,英連邦の国の法律ではごく一般的なもので、法律の一部をなす。法本文の規定を受け,それをさらに細かく規定したものである。付属規定と訳されている例がある。わが国の法案で言う「別表」的なもの)...