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アイルランドのデータ保護委員会によるMeta platform に対するGDPR違反による高額の罰金処分や行政措置の最新動向とフランスCNILのデータ・スクレイピング再利用ガイダンスを読む

      昨2021年9月3 日、筆者は ブログ でアイルランドのデータ保護委員会(以下、DPC:Data Protection Commission :an Coimisiún um Chosaint Sonraí )がEUデータ保護会議(EDPB)の仲裁を経て“Whatsapp”に2億2,500万ユーロ(約325億900万円)の罰金を科す決定を行った旨報じた。     去る11月28 日、アイルランドのDPCがFacebookの「データ・スクレイピング(Data Scraping)」行為につき2 億 6,500 万ユーロ(約382億9000万円)の罰金とさまざまな是正措置を課した旨リリースした。  このリリースに関する内外の解説の多くは、DPCが2022年9月15日、4 億 500 万ユーロ(約579億1500万円)の罰金とさまざまな是正措置を課した、さらに2022 年 3 月 15 日1,700 万ユーロ(約24億3100万円)の罰金を課す決定を採択した事案に関する解説には言及していない    今回のブログは、1)これまでDPCが行ってきたMeta platformに対する行政法執行の内容につき改めて整理するとともに、2)データ・スクレイピング(Data Scraping;Web scraping)にかかる技術的、法的諸問題を解説し、3) フランスCNILのデータ・スクレイピング(Data Scraping)再利用ガイダンス、最後に、4) DPCサイトのEDPB組織・事業者向け個人情報の越境処理とワンストップ・ショップ(OSS)・メカニズムの概要と2022.3.15 DPCが公表した 「GDPRのワンストップショップ(OSS)に基づく国境を越えた苦情の処理に関する統計レポート」 を紹介する。   今回は2回に分けて掲載する。 1.2022 年 3 月 15 日、 DPC は、Meta Platforms Ireland Limited (以前の Facebook Ireland Limited) に 1,700 万ユーロ(約24億3100万円)の罰金を課す決定を採択   DPCの リリース文 を仮訳する。  DPCは2022年3月15日、Meta Platforms Ireland Limite...

欧州議会はまもなく暗号資産市場 (MiCA) に関する規制の採用について採決を行うーその具体的検討経緯を巡る最新動向―(その1)

    筆者は 11月1日付けブログ で英国の金融規制当局である金融行動監視機構(FCA)から暗号資産に対する金融プロモーションやその他の活動を規制する法律の権限拡大等を目的とする「2000年金融サービスおよび市場法(Financial Services and Market Act  2000(以下、「FSMA」という)」の改正案についての解説を取り上げた。  その際、欧州連合(EU)における「暗号資産市場規制(MiCA)」については簡単に言及したが、機会を改めて詳しく解説したいと書いた。  今般、筆者の手元に欧州連合議会のThink Tankである“European Parliamentary Research Service (EPRS)”からレポ―トが届いた。  その内容を要約すると、欧州議会はまもなく 暗号資産市場 (MiCA) に関する規制の採用について採決を行う。この規制は、EU全体 レベルでの暗号資産に関する調和のとれた規則を確立し、それによって既存の EU 法ではカバーされていない暗号資産に法的確実性を提供する。消費者と投資家の保護と金融の安定性を強化することにより、この規制は金融革新と暗号資産の利用を促進させるというものである。 この規制は、3 種類の暗号資産、つまり、1)資産参照型トークン (asset-referenced tokens : ART )、電子マネートークン (electronic money tokens : EMT )、および3)既存の EU 法でカバーされていないその他の暗号資産を識別し、対象としている。  これまで、筆者はEUのこの問題への取り組み動向に強い関心を持っていたが、検討経緯も含め網羅した解説はEU内外の大手ローファームでも取り上げられたものは少ない。  一方、このブログで頻繁に取り上げているとおり、米国等で暗号資産を巡る被害者数や被害金額が極めて大きく、かつ手口が巧妙な詐欺的犯罪が後を絶たない。  今後、わが国のおいても個人の金融資産をねらって 暗号資産詐欺 が特殊詐欺の次に急速に被害が拡大することは間違いなかろう。  その意味で、今回のブログはあえてEPRSのレポートや欧州議会のMiCAの解説サイトを引用しながら、関係機関と意見調整結果等も踏まえ体系的な解説を試みるもの...

「トロイの木馬」戦略が抗菌薬耐性に対処するのに役立つとしたらどうか?EU議会 のThink Tankの研究者による斬新な提言を読む

   筆者はEU議会のThink Tankである「European Parliamentary Research Service (EPRS) 」から送られてきたルイサ・アントゥネス(Luisa Antunes)氏(フランス・パスツール研究所) (注1) によって書かれた レポート を読んだ。 Luisa Antunes氏  抗菌薬耐性感染症(Antimicrobial-resistant infections) (注2) は、2050年までに世界で2番目に大きな死因になると予測されている。新しい抗菌薬の開発、抗菌薬の誤用と乱用に関する意識向上キャンペーン、動物、人間、環境における抗菌薬の使用と耐性の監視への投資が増加しているにもかかわらず、抗菌薬耐性は増加し続けており、過去30年間、新しい抗菌剤クラスは1つも市場に出回っていない。 その答えは、すべての細菌に共通する自然の生理学的プロセスを混乱させる「トロイの木馬」戦略にあるのか?  筆者はこのレポートを読んで、当初、抗菌薬耐性と「トロイの木馬」との関係が理解できなかった。  しかし、2021年7月13日付けの塩野義製薬株式会社、The Global Antibiotic Research and Development Partnership(GARDP) (注3) 、Clinton Health Access Initiative(CHAI ) (注4) の以下の 共同記者発表 を読んで、その意味が理解できた。   2019年11月に米国食品医薬品局(FDA)(製品名:FETROJA®が承認した塩野義製薬のセフィデロコル(cefiderocol)は、「トロイの木馬」と呼ばれる新しいメカニズムにより、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を通過して抗菌活性を発揮する新規のシデロフォアセファロスポリン抗菌薬である。本薬はFDAのほか2020年4月に欧州委員会(EC)(製品名:FETCROJA®)より承認を取得している。   今回の基本合意書の締結を通じて、低中所得国でのセフィデロコルのアクセスにおける様々な障壁を克服するために、塩野義製薬、GARDPおよびCHAIは、医師向けの臨床ガイダンス作成やトレーニングの実施等、適正使用を確実に実施するための手段を用いて対象となる各国政府やパート...

第3巡回区連邦控訴裁判所は裁判官全員の大法廷(En Banc)での再審理を否定し、インターネット第三者マーケティングに関するペンシルベニア州の主要な盗聴事件の意見を修正

  筆者の手元に2022.10.26付けのSquire Patton Boggs (US) LLP blog 「第3巡回区はEn Bancの再審理を否定し、インターネット第三者マーケティングに関するペンシルベニア州の主要な盗聴事件の意見を修正」 が届いた。 共同筆者はパートナー Kristin Bryan氏、事務所の弁護士James M.Brennan氏である。また、本裁判の第一審は2021年6月17日、ペンシルベニア州西部地区連邦地裁であり、当時ピッツバーグ大学ロースクールの法学部学生(現在はWestin Researchの Fellowである)Anokhy Desai氏が解説している。   以下、2つのレポートを内容を補足しながら、仮訳する。   Kristin Bryan氏  James M.Brennan  10月18日、米国第3巡回区連邦控訴裁判所は、 ペンシルベニア州の 「 盗聴および電子監視管理法 (Wiretapping and Electronic Surveillance Control Act:WESCA」)18 Pa. C.S. § 5701 et seq.」 の適用に関する訴訟で、 再審理を否定 した。そして、被告(オンライン小売業者とインターネットマーケティング会社Harriet Carter Gifts, Inc.)によって「提起された問題を明確にする」ために 修正意見 を発表した。  この命令は、原告(Popa)である消費者に有利な第3巡回区の2022年8月の判決を残しており、さらなる事実認定に応じて、被告は小売業者自身のウェブサイトとの消費者の相互作用を「傍受」したとしてWESCAの下で責任を負う可能性があると主張した。  Popa v. Harriet Carter Gifts, Inc., No. 21-2203, 2022 U.S. App. LEXIS 28799 (3d Cir. Oct. 18, 2022)事件で 原告Popa は被告たる小売業者ハリエット・カーター(Harriet Carter Gifts, Inc.)のウェブサイトを訪問し、交流した。ハリエット・カーターのウェブサイトには、被告の第三者マーケティング担当者 NaviStone(オハイオ州 シンシ...