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イギリスやアイルランド等における新型コロナウイルス感染拡大に伴う企業等の公衆衛生上の緊急時の従業員等のプライバシー保護とGDPRや国内法遵守問題への取組み(その2)

      Last Updated 04/21/2020  筆者は、本問題につき、すでにイタリアやデンマークの取組みを blog で取り上げた。その後、1)グローバル展開を行う“FieldFisher LLP”が新型コロナウイルスとGDPRの解釈問題を正面から取り上げ、また2)そのほかのローファームがイギリスやアイルランドさらに小国であるルクセンブルグにつき、この問題を国内法とのかかわりを含めた解説を行っており、改めて取り上げることとした。  この問題は、パンデミックという非常事態の中でややもするとぞんざいな扱いとなりがちの問題であるが、逆にこの時にこそ雇用主等はコンプライアンスの在り方を正しく理解すべきである。  この両レポートの解説内容はどうしても重複する部分が多いが、あえて主要部を紹介・ 仮訳 する。  なお、この問題をEU加盟国のプライバシー監督・監視機関を詳細にフォローしている大手ローファーム” Covington & Burling LLP”は最新サイトでEU加盟国の各機関最新動向のURLをリンクさせている。各機関のリリース内容を解釈するにはなお時間がかかるためここでは筆者の責任でⅤ項でリンクのみ貼る。 Ⅰ.2020.3.10 FieldFisher LLPレポート 「コロナウイルスとGDPR –冷静を保ち続けられるか?(Coronavirus and the GDPR – keep calm and carry on?)」  その主な概要を 仮訳 する。 ・・・ほとんどの人(すべてではないが)はすでに多くのニュースを聞いている。季節性インフルエンザに似た厄介な新しいウイルスである新型コロナウイルス(Covid-19)が世界中を浸透している。          しかしながら、Covid-19には別な危険な特性がいくつかある。例えば、感染力が高いだけでなく、感染者は感染初期の段階で症状を示さない場合がある。これにより、公衆衛生上の理由から、このウイルスにさらされた人々は、彼らがさらされたことに気づき、ウイルスの広がりを緩和するための早期措置が取られることが非常に重要になる。 ただし、これはEUの一般データ保護規則( "GDPR")と公衆衛生が対立しているように見える場所である。Covid-19に感染した人々のプライバシーをどの...

「EU域内のCOVID -19の急速なパンデミック化の中で企業が取り組むべき従業員や家族等の収集や周知などに関しイタリアやデンマークの個人情報監督機関がガイダンスを発布(その1)」

   新型コロナウイルスのグローバルな拡散が続くなかで3月4日、大手ローファーム“Covington .& Burling LLP”のニュース「 イタリア情報保護監督機関(以下、“Garante”)は、新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)の蔓延を防ぐための取り組みの文脈で、企業がイタリアの従業員等の個人データをどのように処理すべきかを明確にする「声明」を発表」 が届いた。   また、Lexblog  (注1) は3月5日、 「デンマークのデータ保護局(Datatilsynet:Danish Data Protection Agency:以下”GDA”) (注1)は、コロナウイルス(「COVID-19」)危機の状況で企業が従業員の個人データを処理する方法を明確にするガイダンス文書を発行した」 を報じた(GDAのリリース原本(デンマーク語)参照) )。 これは、イタリアの監督当局(「Garante」)による同様のガイダンスの公開に続くものである(以前のLexblogブログ参照)。 今回のDatatilsynetのアプローチは、イタリアのGaranteのアプローチよりも柔軟に思える。すなわち、 Datatilsynetによれば、雇用主は、状況が必要に応じて、従業員に関する情報を大幅に収集および開示することができ、そのような収集または開示が雇用法または健康法の下で禁止されておらず、問題の情報が 非常に詳細で具体的でなければ認めあられるように読める。  今回のブログは、この両国の対応の比較の上で紹介する。 1.イタリアの情報保護監督機関(Garante)の声明の内容 (1) “Covington .& Burling LLP”の解説文の 仮訳  2020年3月2日、イタリア監督当局(以下、“Garante”という)は、新型コロナウイルス病(「COVID-19」)の蔓延を防ぐための取り組みの文脈で、企業がイタリアの従業員と他の人の個人データをどのように処理すべきかを明確にする「声明」を発表した。( イタリア語の声明 を参照)。 Garanteは、企業が従業員(またはその家族)が感染した可能性のあるCOVID-19症状や所在に関する体系的かつ一般化された方法で収集してはならないことを明らかにした。 Garanteによると、そ...

米国の連邦金融機関検査協議会(FFIEC)や米銀行協会が金融機関のCOVID-19のパンデミック化に備えた改正ガイダンスを発布 (新型コロナウイルス対応:その4)

 筆者の手元に 3 月 6 日付けの米国の金融監督機関である連邦預金保険公社 (FDIC) の 「パンデミック計画に関する金融監督機関向けガイダンスの共同声明 (Interagency Statement on Pandemic Planning ) 」に関する金融機関向けリリース が届いた。これは、そのほかの連邦金融監督機関協議会 (Federal Financial Institutions Examination Council's : FFIEC ) からの通知と同様の位置付けにあたるもので、また同時に米国銀行協会 (ABA) も「 Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) : Pandemic Planning and Business Continuity Resources for Banks 」専用サイトを立ち上げている。    今回のブログは、これらの関係機関の取組み内容の概要を取り上げ、わが国の経済金融活動のコアである民間金融機機関のパンデミック時の対応に向けた先行的課題につき警報を鳴らすものである。  とくに、 ABA の COVID-19 のパンデミック対応サイトはかなり詳しく網羅的な内容である。 わが国の金融機関や一般企業の事業継続性確保のための準備はこれからという現実を見ると、不安感を覚えるのは筆者だけであるまい。   1. 2020.3.6 FDIC  金融機関向けニュース 「パンデミック計画に関する金融監督機関向けガイダンスの共同声明 (Interagency Statement on Pandemic Planning) ( 全 10 頁 ) を発布 FDIC のリリース文を 仮訳 する。 ニュース COVID-19 のパンデミックへの備えは、金融機関の事業継続計画の重要な部分である。 米国の規制監督を受ける金融機関は、継続的な計画を含む関連するリスク管理計画を定期的に見直し、かつ幅広いシナリオで最小限の中断で自行の製品とサービスを提供し続ける能力を確保する必要がある。 健全化計画は、こうした不測の事態が発生したときに、消費者、企業、コミュニティへのサービスの中断を最小限に抑えるのに役立つ。 米国連邦金融機関検査協議会( FFIEC )は 3 月 6 日、パンデ...

米国の連邦金融機関検査協議会(FFIEC)や米銀行協会が金融機関のCOVID-19のパンデミック化に備えた改正ガイダンスを発布 (新型コロナウイルス対応:その4)

  筆者の手元に3月6日付けの米国の金融監督機関の1つである連邦預金保険公社(FDIC)の「パンデミック計画に関する金融監督機関向けガイダンスの共同声明(Interagency Statement on Pandemic Planning )」に関する 金融機関向けリリース が届いた。これは、そのほかの連邦金融監督機関協議会(Federal Financial Institutions Examination Council's:FFIEC )からの通知と同様の位置付けにあたるもので、また同時に米国銀行協会(ABA)も「Coronavirus Disease 2019 (COVID-19):Pandemic Planning and Business Continuity Resources for Banks」専用サイトを立ち上げている。  今回のブログは、これらの関係機関の取組み内容の概要を取り上げ、わが国の経済金融活動のコアである民間金融機機関のパンデミック時の対応に向けた先行的課題につき警報を鳴らすものである。  とくに、ABAのCOVID-19のパンデミック対応サイトはかなり詳しく網羅的な内容である。 わが国の金融機関や一般企業の事業継続性確保のための準備はこれからという現実を見ると、不安感を覚えるのは筆者だけであるまい。 1.2020.3.6 FDIC 金融機関向けニュース 「パンデミック計画に関する金融監督機関向けガイダンスの共同声明(Interagency Statement on Pandemic Planning) (全10頁)を発布  FDICのリリース文を 仮訳 する。  ニュースCOVID-19のパンデミックへの備えは、金融機関の事業継続計画の重要な部分である。 米国の規制監督を受ける金融機関は、継続的な計画を含む関連するリスク管理計画を定期的に見直し、かつ幅広いシナリオで最小限の中断で自行の製品とサービスを提供し続ける能力を確保する必要がある。 健全化計画は、こうした不測の事態が発生したときに、消費者、企業、コミュニティへのサービスの中断を最小限に抑えるのに役立つ。 米国連邦金融機関検査協議会(FFIEC)は3月6日、パンデミックの潜在的な悪影響を最小限に抑えるために各金融機関がとるべき行動を特定するガイダンスを更新した。  パン...

わが国の医療関係者や政治家は果たして「新型インフルエンザ等対策特別措置法」や「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」等の内容を正確に理解して行動しているのか? (新型コロナウイルス対応:その3)

   最近、やっとこれらの問題がTV等でも正面から取り上げられ始めた。  筆者は、これらの立法措置やその背景にある当時のパンデミックの想定外の拡散問題、さらにはわが国の医薬品備蓄の国際比較、また、平成17年11月から平成29年9月までの間、数次にわたり改正を行ってきた内閣官房 「新型インフルエンザ等対策政府行動計画等」が十分に機能していないという問題である。同行動計画の中身は具体的には、(1)  新型インフルエンザ等対策ガイドライン(平成30年6月21日 一部改定)) 、②  新型インフルエンザ等発生時等における初動対処要領(平成29年8月4日一部改正) 、③  新型インフルエンザ等対応中央省庁業務継続ガイドライン(平成26年3月31日) である。 特に重要なものは新型インフルエンザ等対策ガイドラインであろう。  そこで筆者は、その内容を中心にチェックしてみた。 そこで、見られた重要な対策の欠落例えば、新型インフルエンザ対策ガイドライン(新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議 平成21年2月17日)の新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方 (新型インフルエンザ専門家会議 平成 20 年 9 月 22 日)につき「5.家庭における備蓄について: 家庭において不織布製マスクを備蓄することは、新型インフルエンザ対策と して推奨される。その他の感染予防行動や日用品の備蓄と共に行われることが 望ましい。 不織布製マスクのほとんどは諸外国で生産され、輸入されているため、新型 インフルエンザ流行前に準備しておくことが推奨される。流行期間(8 週間を想定)に応じたある程度のマスクの備蓄を推奨する。 例えば一つの目安として、不織布製マスクを、発症時の咳エチケット用に 7-10 枚(罹患期間を 7-10 日と仮定)、健康な時の外出用に 16 枚(やむを得ず週に 2 回外出すると仮定して 8 週間分)として、併せて一人あたり 20-25 枚程度備蓄 することが考えられる。」とある一方で、国家備蓄については何ら言及していない。  以下で、その内容を概観するが、これまでの国会での議論が野党を含め政府や専門家会議委員が述べてきた内容が、これまでの反省をふまえた検討や結果と著しく乖離していることが明らかとなろう。...