4.「オーストラリアで初めて鳥インフルエンザに感染した2歳女児が昨日ビクトリア州で報告され、インドで H5N1 型のウイルスに感染した女児が、 2024 年 3 月にオーストラリアに帰国した際に発症」事案の感染症専門家の解説の 仮訳 著者であるレイナ・マッキンタイア(Raina MacIntyre)教授は、オーストラリア・国立保健医療研究評議会(National Health and Medical Research Council:NHMRC)主席研究員、カービー研究所バイオセキュリティプログラムの責任者、ニューサウスウェールズ大学のグローバルバイオセキュリティ教授である。 Raina MacIntyre 氏 ヘイリー・ストーン(Haley Stone)氏は、レイナ・マッキンタイア教授が率いるカービー研究所のバイオセキュリティプログラムの博士課程の学生である。 5月22日、インフルエンザに関するすべてのデータを共有する世界イニシアチブである「鳥インフルエンザ 情報 共有 国際推進機構(Global Initiative on Sharing Avian Influenza Data;GISAID)」 (注11)(注12)(注13)(注14)(注15)(注16) で公開された情報によると、この子どもは2歳の女児であることが確認されている。彼女は3月初旬に陽性反応を示し、非常に具合が悪かったと報告されていたが、その後完全に回復した。 ビクトリア州保健省によると、接触者追跡調査で新たな感染者はおらず、他者へのリスクは非常に低いとのことである。 H5N1 に感染した人間の場合、通常、感染した家禽と密接な接触がある。H5N1 は、人から人へ簡単には広がらないが、しかし、人間の場合の致死率は約 50% である。 1.鳥インフルエンザが国内および世界中でニュースになる中、この最新の状況をどう考えるべきか ? H5N1の世界的感染状況 この子供がインドでどのように感染したか、またこの症例がインドのどこで発生したかに関する公開情報はない。しかし、インドでは現在、ケララ州、アーンドラ プラデーシュ州、マハラシュトラ州で大規模な鳥インフルエンザの発生に直面している。 H5N1 はインフルエンザ A の系統で、さらに系統群と呼ばれる変種(variants)に分け...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。