4.米国ではインドの核兵器問題が依然として協力推進を邪魔をしている インドが民間原子力協定の商業的約束を実現する方法を模索しているとしても、バイデン政権が自ら目標を定めたことは賞賛されるべき目標であるが、同政権にはこの協定から生じるもう一つのより大きく、より重要な課題がまだ残されている。それは、米国の大戦略におけるインドの核兵器計画問題に対処することである。 民間原子力協定の根本的な前提は、インドの核兵器は米国の地政学的利益を脅かすものではなく、そのためバランスを維持するためにインドとの民間核貿易を復活させたり、アジアの自由を支持する権力に関し、ニューデリーとの協力を深めることを妨げるものとして扱われるべきではないというものだった。 この確信は、中国が世界舞台で米国の最も重要な競争相手であると認識されるずっと前に、ブッシュ大統領の対インド政策の劇的な転換を促した。 強硬な中国の力がインド太平洋地域における最も差し迫った戦略的脅威であることが十分に明らかな今日、アジアにおける有利な地政学的均衡を維持することが米国にとってますます重要になっている。理想的な世界では、急成長する米印関係により、ニューデリーは米国と協力して最も危険な不測の事態に対処できるようになるだろう。その中には、アジアにおける米国の条約同盟国に対する中国の脅威や、台湾との戦争の可能性から生じるこれまで以上に困難な問題も含まれるだろう。 米国の同盟国であるオーストラリアと日本はすでにこれらの基準を満たしているが、インドは満たしていない。したがって、現在進行中の米中対立の文脈において、米国にとってのインドの価値は主に、独立して中国に立ち向かうニューデリーの能力に由来している。もしインドがそのような能力を持っているなら、ニューデリーが効果的に中国とのバランスをとるためにワシントンの支援に執拗に依存する必要がなければ、中国がアジアで力を発揮する能力を制限することになるだろう。 ブッシュ政権が「インドが21世紀の世界大国になるのを助ける」という野望を宣言して以来、ワシントンでの相次ぐ政策は、ニューデリーがしばしば米国の国益にもたらすジレンマにも関わらず、まさにその目的によって動機付けられ、インドの能力構築に倍増した。インドが必要に応じて独自に中国をチェックメイトできるよう十分な力を蓄積できる...
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