Roscoe Pound氏(An Introduction to the Philosophy of Lawの裏表紙から) 最近、筆者は改めて1973年に購入したRoscoePound 博士の著書“An Introduction to the Philosophy of Law”を書庫から出して改めて読んでみた。この取り組みのきっかけは、最近若い方々とSTGSと哲学論を論じたことに始まる。 その内容については改めて取り上げたいが、このような名著を今の法学部、ロー・スクールの学生諸君は丁寧に読んでいるであろうか、さらに言えば、法思想史、法学概論等最も基本といえる法学ガイドがないがしろになり、ややもすると実定法、手続法の解釈論や理解、司法試験の受験対策のみが中心になっていないかという点に強い関心と懸念を持った。 さらにいえば、比較立法論がまともに論じられる法学部の学生や院生がどれだけいるであろうかという点である。 筆者は本ブログで多少でもこれらに寄与できるよう専門外分野も含め海外の立法動向、裁判、法改正論議を取り上げてきた。 ところで、この本の市販価格をamazonで検索してみると 時価 1,571 円 ( 送料は無料 ) である。しかし、新たに購入せずに読む方法はないものかを探ってみた。そこで明らかとなったのは、6万点を擁する米国ebookサイト「プロジェクト・グーテンバーグ(Project Gutenberg、略称PG)」である。 同プロジェクトは、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。印刷の父、ヨハネス・グーテンベルクの名を冠し、人類に対する貢献を目指している。(Wikipediaから一部抜粋 ) 早速、検索してみた。即時に検索出来た。さらに以下の手順で見られるとおり自動翻訳ソフトも利用できる点を強調しておく。同時に、参考までに筆者なりに第Ⅰ章から第6章の要旨を仮訳した。 なお、言うまでもないが英米法とりわけ法哲学書の翻訳は英米法の基礎知識がないととても読みこなせない。 そのために、必要となる本のうちで筆者の手元にある本では、例えば高柳賢三『英米法源理論』 (筆者注1) 、同『英米法の基礎』 (...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。