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1月, 2020の投稿を表示しています

米国NHTSAが米国の大手自動車部品メーカー「TRW Automotive Holdings Corp」のエアバッグのリコールを公表

   筆者は、 1月11日のブログ および 1月21日付けのブログ で「オーストラリア競争・消費者保護委員会(ACCC) 」 (筆者注1)(筆者注2) の「タカタNADI 5-ATエアバッグ」のリコールに関する警告内容を紹介した。  ところが、1月21日トヨタ自動車は、米国やカナダ、中南米で約340万台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。米国の自動車部品メーカーの電子制御装置に不具合があり、衝突時にエアバッグが作動しない惧れがあるという。(詳しく報じている 2020.1.22 Business Times記事 などから抜粋) また、同日、トヨタ自動車は日本国内向けに平成9年から平成11年に生産したヴィッツ、カローラなどの一部車両につきまして、令和2(2020)年1月22日に下記内容のリコールを国土交通省へ届けを出し、1月23日から 自社HPでリコールの受付開始を報じた 。 (筆者注3)  このうち米国は約290万台で、日本は含まれていない。リコールの対象車種は、2011~19年型の「カローラ」、12~18年型「アバロン」など。  エアバッグは2015年ドイツのZF Friedrichshafen AG (筆者注4) に買収された米国の大手自動車部品メーカー「TRW Automotive Holdings Corp」で社名は現在「ZF TRW Automotive Holdings Corp.」が製造したもので、米国運輸省・道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration:NHTSA) (筆者注5) が昨年4月、同社製のエアバッグを採用しているトヨタ、ホンダ、三菱自動車、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(Fiat Chrysler Automobiles NV :FCA)など自動車大手6社を対象に調査を開始していた。調査は約1230万台が対象で、今後、他メーカーにもリコールが広がる可能性がある。( 読売新聞オンライン記事 をもとに、一部筆者が独自に調査のうえ加筆)、なお、この読売記事は正確性に難点があり、後記5.Business Timesや後述するNHTSAサイト等を参照されたい。  今回のブログは、わが国で詳しく論じられていない米国自動車部品メーカーのエアバッグのリコール問題を、...

ACCCが 「潜在的潜在的かつ即死に至るタカタNADI 5-ATエアバッグ装備車の詳細リスト」  を追加公表

    去る 1月11日の筆者ブログ で解説したオーストラリア競争・消費者保護委員会(ACCC)1月10日付けで、「タカタNADI 5-ATエアバッグ」のリコールに関する警告内容を紹介した。その際、対象となる車のメーカーは8社でリコール対象台数は約78,000台と記されていたが、実際ACCCのリリースで記載された対象となる車の製造メーカーはAudi, BMW, Ford, Honda, Mazda の5社のみであった。   筆者は、後日のACCCの安全規制局(Product Safety Australia)の統合版のリリースを期待していたが、このほど1月20日付け  ACCCの安全規制局(Product Safety Australia)で その手元に届いた。また、筆者が独自に調べた各ユーザーにとって各メーカーのホットラインの情報提示の資するための安全規制局のサイトから全8社の対象車の機種モデルやホットラインの連絡先を調べたので追加的に報告する。         **************************************************************** Copyright © 2006-2020 芦田勝(Masar Ashida).All rights reserved. You may display or print the content for your use only. You may not sell publish, distribute, re-transmit or otherwise provide access to the content of this document.

米国のイラン革命防衛隊・司令官の殺害とその真の原因や両国の国家戦略を見据える

   2019年12月27日イラク北部のイラク軍基地がロケット砲で攻撃され米国市民や兵士が死傷、これに対し、米軍は29日に革命防衛隊から支援を受けるイラクのイスラム教シーア派武装組織「カタイプ・ヒズボラ(Kata'ib Hizballah:KH)」 (筆者1) を空爆、少なくともKH戦闘員25名が死亡、さらに1月3日、米軍によるイラン革命防衛隊の「コッズ部隊(Al-Quds Force)」のガゼム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官やイランが支援するイラクの部隊の副司令官アブ・マフディ・ムハンディス(Abu Mahdi al-Muhandis)氏のドローンによる殺害をめぐるトランプ大統領の命令とその国際平和やホルムズ海峡の原油施設への影響、イランとイラクの対立深化等、毎日TV等メデイアで取り上げられない日はない。 Abu Mahdi al-Muhandis氏  筆者も米国等主要メデイアで読む範囲で一応理解ができていると思っていた。しかし、筆者なりに、より丁寧に筆者が日頃受けとっている情報源、例えば(1)ポンぺオ国務長官やエスパ―国防長官の個別記者会見の内容、(2)米国政府のDHSおよびサイバー・セキュリテイ諮問機関であるCISA(The Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)のイランのサイバー反撃の可能性や対応強化に関するリリース、(3)FBIの米国元米空軍情報スペシャリスト兼特殊捜査局特別捜査官のイラン亡命など国家安全保障をめぐるスパイ行為や謀略をめぐる国際指名手配やハッカー9人の国際手配の動き、(4)政治的スタンスが明確な米国の学術団体(Bulletin of the Atomic Scientists)の見解、(5)ドローンに頼る米軍の軍事力の限界、(6)イランやKHの命中精度の高い弾道ミサイルの破壊能力等を見るにつけ、トランプ大統領や米連邦政府・軍幹部の悩みを垣間見ることができた。  さらに言えば、イラク国内の米軍の緊急補強にもかかわらずイラン、イラク、レバノン等反米のスタンスが明確でかつ国内の民族・宗教間紛争を収めることは極めて困難な状況にあることは言うまでもない。また、米国や国際社会はこれからの国際紛争は革命防衛隊やIS等による弾道ミサイル(ballistic missi...

イラクのウクライナ機撃墜事故は起こるべくして起きたことの問題とわが国のP3C哨戒機や護衛艦の派遣問題

     1月8日(水)に テヘラン空港(Tehran Imam Khomeini International Airport :IKA) ) (筆者注1) を離陸したウクライナ国際航空のPS752便が離陸直後に墜落した事故について、イランの地対空ミサイルが撃墜した可能性が高いと発表し、その後、11日にはイランのロハニ大統領が米国からの攻撃から自国民を守る厳戒態勢下での人的ミスによる撃墜を認めるとともに哀悼の意を表した。  このような国際的な緊張下での地対空ミサイルによる民間旅客機の撃墜事故としては、2014年7月17日のMH17事件 (筆者注2) 、また古くは1988年7月3日、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦ヴィンセンス(USS Vincennes)  (筆者注3) はウィリアム・C・ロジャーズ三世艦長の指揮の下、ホルムズ海峡においてイラン航空655便のエアバスA300B2に対してSM-2ブロックII艦対空ミサイルを2発誤射し、これを撃墜した。この事故により乗員乗客290名全員が殺害されたという事件がある。   今回のブログの目的は、(1)イラクやイラン上空は米国やイラン革命防衛隊や国軍などの制空下にある点で民間航空機の安全対策である。また、(2)世界の湾岸国を含む主要国が従来から力を入れている中東海域の安全対策である「合同多国籍海上部隊(Combined Maritime Forces (CMF)」の実態、とりわけオーストラリアを中核とするマニトウ作戦( Operation MANITOU )の概要等を正確に理解することにある。  なお、EUの イランの核問題に関する最終合意(包括的共同作業計画)(JCPOA:Joint Comprehensive Plan of Action) について今回の紛争激化がどのような影響を与えるかなど、わが国としても看過しえない重要な問題であるが、この問題自体特別に取り上げるべきテーマであることから、別途まとめる。 1.  イラクやイラン上空は米国やイラン革命防衛隊や国軍などの制空下での民間航 空機の安全対策 (1) 米国・イラン紛争の拡大と民間航空機の安全対策  今回の事故の背景には国際紛争下の危険地域の民間航空機の航空路の安全措置の一環であり、例えば米国連邦運輸省傘下の連邦航空局(Feder...

ACCC 「トヨタ、マツダ、スズキが深刻な安全リスクから新しいエアバッグ安全リコールに参加」の新たな意義を見る

   オーストラリアのタカタ製エアバッグのリコールについては、従来からわが国メディアでも以下のような記事が取り上げられている。 (1)   2017年7月24日記事  オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は24日、タカタ<7312.T>製エアバッグのリコール(回収・無償修理)について調査していると明らかにした。  同国の警察はこれより先、シドニーで今月、自動車が衝突して運転していた男性が死亡した事故について、欠陥エアバッグが原因だったとの見方を示していた。これがタカタ製であれば、同社製の欠陥エアバッグによる世界で18人目の死亡例となる。ACCCによると、オーストラリアでは2009年以降、230万台以上がリコール対象となっている。以下略す。 (2)    2018年2月28日記事    オーストラリア当局は、欠陥のあるタカタ製エアバッグを全てリコール(無料の回収・交換)させる。豪競争消費者委員会(ACCC)が28日にウェブサイトに掲載した資料によると、国内の自動車の約7台に2台が強制的なリコールの対象となる。  自動車メーカー各社は、2020年末までにエアバッグの交換を完了する必要がある。既に自主的なリコールの対象だった車両のほかに、新たに130万台に今回の措置が適用される。  オーストラリアでは09年以降、欠陥のあるタカタ製エアバッグを搭載した車両が約270万台リコールされている。同国ではタカタのエアバッグが原因とされる事故で死亡1件、重傷1件が報告されている。以下略す。   以上読んでわかるとおり、これら記事では自動車メーカー名が明確に表に出てこない。これらの記事はAPやブルームバーグ等欧米の主要メディアの翻訳版であるが、その理由は何かという筆者の疑問への答えはいかなる点であろうか。  その意味で今回のACCの発表とその背景にある自動車業界の安全性問題の根の深さが理解できよう。以下で、 ACCCのリリース文 の 仮訳 を行うとともに、その新たな意義を検証する。  1.ACCC(オーストラリア競争・消費者保護委員会)のトヨタ、マツダ、スズキ車のユーザー向け警告  1月10日、人気のトヨタ・スターレットを含む1996年から1999年の間に製造された18,000台以上の車両の自主回収...