スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

3月, 2015の投稿を表示しています

オバマ大統領の官民サイバーセキュリティ情報共有とプライバシー強化法案および関連立法化動向(その2完) 

  Last Updated :November 22,2016 (4)消費者のオンラインに対する信頼を改善することで革新を推進 ・消費者の権利章典立法措置 オンラインの相互作用は明確な原則ーすなわちデータの収集の前後関係、ユーザーの期待を誤用していないことなどにより統治されねばならない。これらは「2012年の政府消費者保護憲章」の主要テーマであった。今日、商務省はこれらの諸権利を保証するため権利章典を制定法化(完成)するため改正案につき広く意見を公募する旨発表した。  政府は今後45日以内に修正法案を発表する予定であり、また政府は議会に対しこの重要な問題につき積極的な検討を要請した。  (5)これら一連の行動は大統領は次のような消費者のプライバシーおよびなりすまし被害阻止を支援するため、すでに取った措置のもとで行うことを意味する。 ①先進的なマーケットづくりに取り組む連邦の支払い決済システムをより安全なものとする  2014年10月17日、オバマ大統領は、「BuySecure Initiative」  (筆者注11) の先行的活動の一部として 大統領令「Executive Order --Improving the Security of Consumer Financial Transactions」 に署名、公布した。      同令の内容は、連邦機関が使用する既存のおよび新たに発行するクレジットカードや”Direct Express”といったデビットカードにつき「CHIPand PIN」技術  (筆者注12) を導入すること、また連邦機関に設置するカード・ターミナルにつき「chip and PIN」対応端末に更新することで連邦の支払いシステムの安全性強化を図ることにある。これらの措置は ”Home Depot”    ”Target”    ”Walgreens” や ”Walmart” 等が全国的な店舗にCHIP&PINの相互利用可能な端末設置を展開と並行して行われる。  ②なりすまし被害を回避するための新たな措置  また、大統領は連邦取引委員会による 「Identity...

オバマ大統領の官民サイバーセキュリティ情報共有とプライバシー強化法案および関連立法化動向(その1) 

     2014年12月18日、オバマ大統領は 「2002年電子政府法(E-Government Act of 2002)」 の成立以来12年ぶりの重要なサイバー立法となる長年の課題である5つの関連法案に署名した(なお、 John MaCain上院議員 等連邦議会有力議員の中からは、なお包括的かつ体系的なサイバー立法を押す意見があることも事実であり、本ブログの読者も理解できるであろう更なる米国の立法課題といえよう)。   また、同大統領は2015年1月から2月にかけ標記に関する新たな法案の策定等に向けた立法化の動きを精力的に行っている。すなわち、①サイバーセキュリティ法案、②消費者のプライバシー権利章典に関する法案、③連邦ベースの個人情報漏洩時の通知義務強化法案を策定すべく一連の公式の場で所見を述べている。   例えば、1月12日、オバマ大統領は連邦取引委員会(FTC)での 所見スピーチ で米国における標記2つの大きな立法課題をあげた。また、2月13日にはカリフォルニア州のスタンフォード大学でのホワイトハウス主催 サミット (筆者注1 ) において主要企業や学内研究者や連邦機関に向けたスピーチで米国内のSONY等企業や政府機関に対するサイバー攻撃が相次いだことを受け、官民の情報共有を強化する政府の方針を述べるとともに、そのスピーチ直後、 大統領令「Executive Order - Improving Critical Infrastructure Cybersecurity」 に署名した 。   (筆者注2)  サミットでのオバマ大統領のスピーチ   本ブログでは、オバマ政権が取り組んできた法整備・立法措置の中核的な問題についてこれまでの経過を概観するとともに、現在取り組んでいる立法課題を整理し、これと平行してアカデミックな立場からサイバー対策につき先行研究している筆者も参加している スタンフォード大学の”Cyber initiative” の概要などにも言及しつつ、今後、米国が取り組むであろう課題等を取り上げることとした。   なお、本ブログを丁寧に読んだ読者は気がつくと思うがオバマ政...

ホワイトハウスの無人航空システムの使用時のプライバシー権等に関する覚書と法制整備等の最新動向(その3完)

  Last Updated:April 30,2024 Ⅲ.国土安全保障省(DHS)のOIG(監察総監部)の批判的内容の監査報告書と連邦議会の反応 1.OIGの監査報告書  2014年12月、DHSの内部監査機関であるOIG(監察総監部)は税関・国境警備局(CBP)におけるUASの支出の無駄につき 次の内容の報告書 (U.S. Customs and Border Protection's Unmanned Aircraft System Program Does Not Achieve Intended Results or Recognize All Costs of Operations 」 全文(全37頁)) を公表した。  (筆者注14) (筆者注15) その概要を 仮訳 する。    米国の国土安全保障省(DHS)の税関・国境警備局(CBP)は、8年間にわたり市民の税金を何億ドルを消費した後においても、かかる費用を抜本的に控え目にいっている一方で、未だにUAS(Unmanned Aircraft System(無人航空機))プログラムの総額の支出額を立証していない。  DHSの監察総監室(OIG)の調査結果に基づく最新の報告によると、 OIGはCBPが追加的に無人航空機の購入につきさらに4億4,300万ドル(約483億円)を費やす計画を破棄し、それらの税金を効果的に利用するよう勧告した。   米国税関・国境警備局のUASにかかる全費用に関する検証作業(OIGの2012年以来の第2回目の監査プログラム)は、CBPの航空・海上作戦局( Office of Air and Marine Operations:AMO)、航空・海上担当官(Air and Marine Officers:OAM)の努力には性能を測定する確かな方法が未だになく、かつ不法な移住を食い止めることの効果は最小限であったことが判明した。...

ホワイトハウスの無人航空システムの使用時のプライバシー権等に関する覚書と法制整備等の最新動向(その2)

    Last Updated:April 30,2024 Ⅱ.ホワイトハウスの大統領覚書や連邦議会におけるUASのプライバシー保護法案の上程経緯およびFAAのUAS規則やプライバシー問題への取組み 1.ホワイトハウスの覚書(Presidential Memorandum)の内容 (1)2月15日、ホワイトハウスはオバマ大統領が大統領覚書 「 Promoting Economic Competitiveness While Safeguarding Privacy, Civil Rights, and Civil Liberties in Domestic Use of Unmanned Aircraft Systems」(以下「覚書」という) に署名した旨リリースした。覚書はUASのビジネス利用に関する自主的なプライバシー標準および連邦政府機関によるUASの利用を統治する諸原則を確立するため、複数の関係者による手続きを確立するというものである。以下、その内容を 仮訳 する。  覚書は、連邦航空局が策定した前述のNPRM「特定の小型UASに関する枠組み規則案(Operation and Certification of Small Unmanned Aircraft Systems:Notice of proposed rulemaking )NPRM」と同時に公布されたもので、政府や民間の状況下におけるUAS使用時におけるプライバシー侵害の懸念に関する政策立案者の一連の最新活動である。  第1節 連邦政府機関の使用にかかるUASのポリシーと手続き  連邦機関におけるUASは現状でも連邦の土地の管理、山火事のモニタリング、科学的調査、国境の監視、法執行の支援、軍の効率的な訓練等多くの分野で利用されている。この使用にあたり合衆国憲法、その他適用可能な規則やポリシーに合致するように個人情報は収集されねばならないし、また連邦機関は同時に 「1974...