(執筆途上) Last Updated:April 28,2019 今回は、ドイツである。 7月20日付けのドイツのメディア 「Spiegel Online」 はドイツの連邦情報局(Bundesnachrichtendienst :BND)や連邦憲法擁護庁(Bundesamt für Verfassungsschutz :BfV) (注1) と米国NSA等との監視システムの共同化の実態につきメルケル首相や政府首脳の不明確な態度の背景に関し、新たな スパイ・諜報システム(XKeyscore) の存在を前提とした詳しい解析、解説を行っている。 また、筆者はBNDやBfVやドイツの6国防機関の機能・法的根拠など解析とりわけ英国と同様に行政、議会、司法等による監査・統制システムにつき法的枠組み (注2) (注3) の解析作業を一部行った。あくまで建前の説明内容ではあるが (注4) 、わが国ではほとんど説明されていない、EU主要国の情報・諜報機関活動の法的根拠などの理解が可能となった。英国と同様に取りまとめ作業に取組んでいる。 さらに7月24日付けの 「Spiegel Online」 記事は「ドイツ政府は24日、米国が慎重にとりはからった巨大なインターネット監視システムに着目した国連の情報保護規則の強化・改定やセーフハーバー合意の見直しへの取組みを開始:ドイツやEU委員会や主要メンバー、高官の一部は米国とEU関係国間の個人情報交換にかかる条約の見直しの検討開始を希望している」といった記事も引き続き出始めている。 その他、時期は以前になるが2011年5月25日付けの 「Spiegel Online」 は、ドイツ軍事防諜局(Militärischen Abschirmdienst :MAD)は、ドイツ連邦軍内において連邦憲法擁護庁(BfV)や連邦情報局(BND)と同じ役割を担う情報機関で、BNDや BfVに続く第三番目の連邦レベルの情報機関である) (注5) の存在意義につき、BND等との任務の境界線の不透明化問題をめぐる国防大臣 カール・エルンスト・トーマス・デメジエール(Karl Ernst Thomas de Maizière) の発言等を取り上げている。 以上述べたとおり、ドイツはフランスと同様、諜報活動の国民や世界に向けた情報統治...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。