去る6月27日、米国連邦保健福祉省・食料医薬品局(U.S.Food and Drug Administration:FDA)は6月18日から25日の間に実施した国際的な規制当局や捜査・法執行機関と共同して消費者に極めて重大な危険性をもたらす違法でありまた未承認の処方薬を販売する96,000以上のウェブサイトに対し、規制・監督機関の警告発布、提供物の押収および世界的規模で違法な医薬品約4,110万ドル(約39億9,900万円)相当に対する法執行活動(第Ⅵ次パンジア作戦:Operation Pangea Ⅵ)を行った旨 リリース した。 この情報はわが国では、唯一、ペンネーム(桜下街(おうかがい)ブログ「くすりなひと」 がFDAのリリースやCBSニュースに基づき概要を解説している。 また、これまでの世界的にみたパンジア作戦の取組みについて、わが国の一部 専門ブログ のみが取り上げている。しかし、筆者が見るにこれだけ国際的な規制・法執行活動について、どういうわけかわが国の規制監督機関である厚生労働省や捜査取締機関である警察庁の公式リリースは皆無である。 (筆者注1) 筆者が独自に調べた範囲では、鳴り物入りでスタートさせたわが国のインターネットによる医薬品販売の適正化ルールに関し、担当規制機関である厚生労働省医薬食品局総務課が主催する「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会(1回~11回)」の第9回会合(2013年5月16日)でやっと 「資料3:インターネット上の監視強化について:検討課題」 という資料が提示されている。要するに日本は担当行政機関の特定も含めこの問題はこれからなのである。 さらに本ブログの執筆にあたりわが国のオンライン薬局特に海外からの輸入医薬品を扱うサイトの内容をつぶさに読んでみた。本文で具体的に紹介するが米国の場合と危険性はまったく変わらない。 (筆者注2) 今回のブログではFDAのリリースだけでなく国際的な共同作戦である「パンジア作戦」についても国際関係機関のデータを織り込んでまとめてみた。この問題に関するわが国の消費者保護のあり方を改めて考えるきっかけとしたい。 なお、筆者は医薬品問題の専門家ではない。消費者から見たICT世界の適性な発展を期待するが故の問題提起であり、わが国の関係者によるさらに具体...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。