スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

2月, 2009の投稿を表示しています

オーストラリア政府の生活支援ボーナス(Tax bonus)支給の実施について

    Last Updated:Febuary 21,2022  2008年年末以降「ばら撒き生活支援対策」として必ずしも国民の支持が得られないまま実施されようとしている日本の「定額給付金制度」についてここであえて論じるつもりはない。  しかし、わが国のメディアが正確に論じていないオーストラリアのまさに経済的弱者の家計支援、さらに農業従事者や中小企業経営者、学費支援学生や社会復帰若年者に的を絞り、2009年4月6日までに実施される「政府による生活支援ボーナス(Australian Government Bonus Payments)」の内容を見ると、支給金額 (筆者注1) も含め、①実施目的、②実施対象者の限定と明確化、③具体的実施方法において多くの先進的な取組みが伺える。  筆者がこの問題を取り上げた背景には、従来から本ブログでもしばしば紹介しているとおり効率的・機能的な行政施策には電子政府の取組みが欠かせない点の再確認があったからである。わが国の「定額給付金」支給のための事務コストは自治体の事務コストを加えると約850億円以上かかるといわれている。血税を有効・効率に再配分するというのがわが国を含め世界共通の税原則である。  一方、詳細はあとから述べるとおり、オーストリア政府が今回実施するボーナスの支給対象者の特定や支給事務は、ゼロからの出発でなく “Centrelink” という社会的なセーフティネット制度に乗せるだけである。正確な事務コストは確認していないが、少なくともわが国で論じられているよう事務コストがかからないことは間違いなかろう。  わが国では電子政府のあるべき論は常に審議・指摘されているが、今回のように政府の取組みの進捗度合いが真に試される時期に入っているともいえる。  また、今回紹介する給付税額控除制度は欧米ごく一般的な制度であり、わが国でも中央大学の森信茂樹教授等を中心とする研究者グループが従来から わが国での導入を提言 されている。  オーストラリアでの永住を含め生活を始めるにあたり連邦政府「 移民・市民権省(Department of Immigration and Citizenship)」の 日本語ガイダンス は“Centrelink”の重要性を含め内容が新しく極めて分かりやすい。本ブログと併せて読まれたい。  なお、本ブログの...