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7月, 2006の投稿を表示しています

ドイツの公文書保管担当者はデジタル情報のアナログ保存化プロジェクトに取り組む

    Lasat Updated: Febuary 21,2022  本年6月末にドイツ公文書保管担当者がシュツッガルト大学の図書館に集まり、ドイツにあふれているデジタル情報の今後数世紀にわたる保存のための保存方法として「ARCHE project」を取りまとめた。そこでは現在最も一般的とされるCDやDVDの寿命は約5年とされ、500年を保証する媒体としてカラー・マイクロフィルムが取り上げられ、本プロジェクト具体的作業としてBaden-Wurttemberg州の国立公文書資料館の図書や文書のマイクロフィルム化作業が行われている。そこで写真化された各頁には一般的なカードカタログと同様にデジタル情報との対比が出来るようデジタルテーブルが作成されている旨が紹介されている。 1.デジタルデータのカラー・マイクロフイルム化の技術は、レーザー技術を要としたものであるが、フライブルグに本拠地をもつ「フラウホーファー研究所(Frauhofer Institute for Physical Measurement Techniques」 が開発したが、同研究所開発担当部長のヴォルフガング・リーデル(Wolfgang Riedel)は5年後にはアナログ化されたデータはOSや読取り機器にかかわらず閲覧が可能であり、マイクロフィルムの場合、緊急時にはルーペや顕微鏡でも読むことが出来ると述べている(FDは何時まで読めるのか?)。 2.マイクロフィルムは40ミリ×45ミリであるが、単色では200万文字、また3色での保存が可能となるものである。したがって、パスポートの写真大のもので300頁の本11冊分が保存でき、また3層に分かれた保存により各層ごとに読むことも出来る。 さらに、自動化された公文書レーザー記録機は1日に600メーターのフィルムに2terabyte(1兆バイト)を書き込むことが出来る(これを手作業で行った場合、1人1日に2,250ページしかスキャンできない)。 3.更なる課題は、数百年後にマイクロフィルムから再デジタル化する装置の開発である。アナログ変換機器の導入にもかかわらず、かなりのデータ破棄・損失等が生ずるといえるためその対策も必要となる。 4.関連情報 (1)本記事はドイツの「DEUTSCHE WELLE」(2006.7.9付け)から引用したが、このほかにも①ヨーロ...

EU議会が犯罪組織とテロ資金の送金規制に関する規則草案を支持票決

  Last Updated:Febuary 21,2022 本ブログは2011年9月21日に補筆・改訂した。  EU議会は、7月6日に海外送金を行う金融機関やWestern Union (筆者注1) といった国際送金専門会社等に対し、EU加盟国以外からの送金者の氏名や住所、口座番号と言う識別情報を含まない場合は、送金拒否を義務付ける規則草案につき支持投票した。現状、これらの金融機関等は仕向銀行名は知っていても送金依頼人の氏名等は常に認識しているわけではない。  また、規則草案はEU加盟国間の送金については口座番号のみ要求しているが、仮に顧客につき疑わしい場合は、3営業日以内に仕向銀行から送金者の氏名、住所についての情報を得ることが出来るとするものである。  本規則に基づき集められた送金人の情報は、5年間の保存が義務化され、これら仕向金融機関等の監督機関は反マネロンやテロ資金についての調査活動が可能となる。最終的には、テロリスト自身や資金の流れを追跡することで捜査、起訴に寄与することが目的である。この規則草案自体はEUの「テロ阻止に関する行動計画」の一部である。  なお、EUのマネー・ローンダリング対策については、2005年欧州議会および欧州連合理事会が決定した 「EUの第3次マネーローンダリング・テロ資金供与規制にかかる指令(2005/60/EC)」 )および「 EUにおける資金の出入の管理に関する規則(1889/2005)」 等のEUの公式サイトを参照されたい。 (筆者注2) 1.今後の規則草案の正式承認手続き  EU蔵相会議において今後 可決することになるが、本規則草案自体マネー・ローンダリング対策における国際協調機関である「金融活動作業部会(Financial Action Task Force on Money Lauderig:FATF)」 (筆者注3) の電信送金に関する特別勧告Ⅶ(SR Ⅶ)に基づくものであり、FATF修正解釈注によると2006年12月には実行に移されるべきものとされている。 2.規則草案の主な内容 (1)本規則制定の目的(第1条)  マネー・ローンダリングやテロ資金の資金トレースを可能とし、国際的送金阻止やそれらに関する捜査を目的とする。 (2)定義に関するもの(第3条)  適用の対象となる、テロ資金、マネー・ロンダリング、...