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米国FCCの生成AI等の音声通話(AI-Generated Voice Calls)につき「電話消費者保護法」の解釈を巡る宣言的判断とFTCのAIなりすまし等の脅威に対抗する補足的規則制定告示の意義

   筆者は米国やEUにおける生成AIの普及に伴う利用範囲の厳格化等につき本ブログで論じてきた。特に EU については、筆者ブログ 「わが国のAI立法の在り方を見据える観点からEUのAI規則案(AI法案:Artificial Intelligence Act)の最終段階を改めて探る(その1)」 、 同(その2完) 、 米国 については、筆者ブログ 「AI立法 のトレンド: 米国の州法案の発展を概観」 、 「米大統領令(EO: Executive Order 14110)の具体的内容と意義およびそれに基づく責任の履行を支援するためNIST「情報提供依頼文書 」の具体的内容」 で詳しく取り上げた。  その中で2月8日、生成AIまたは事前に録音された音声通話(AI-Generated Voice Calls)についての米国連邦通信委員会(FCC) (注1) の管轄規制法である「電話消費者保護法( TCPA: Telephone Consumer Protection Act of 1991, Pub. L. No. 102-243, 105 Stat. 2394 (1991)」の解釈を巡る宣言的判断の情報を入手した。   また米国連邦取引委員会(FTC)は、2月15日、AIなりすましの脅威(個人、政府機関、ビジネスになりすますための AI の使用を禁止する規則案)に対抗するFTCの補足的NPR案を提案した。 今回は、 2月8日のFCC の宣言的判断(Declaratory rulings) および 2月15日のFTCの補足規則制定告示(supplemental Notice of Proposed Rulemaking :SNPR)の概要と意義 を述べる。 1.FCC の生成Iによる音声通話(AI-Generated Voice Calls)についてのFCCの管轄規制法である「電話消費者保護法( TCPA: Telephone Consumer Protection Act of 1991)」の解釈を巡る宣言的判断(Declaratory rulings) (1)Lexblog(AI-Generated Voice Calls: New Tech, Old Rules) の解説  Lexblogの 「生成AIまたは事前に録音された音声通話(AI-Gene...

米国内外でのトランプ裁判の全体像について鳥瞰図かつ法的に詳しい解説に挑戦(その4完)

  3.議論すべき同裁判判決の法的問題  ニューヨーク州司法長官の申し立ての闇の中心は、トランプ、トランプ・オーガナイゼーション、およびその他のさまざまな個人被告が、その組織のさまざまな不 動産資産の評価額を水増し したということである。 認められた巨額の不当利得の吐き出し額は主に、トランプ・オーガニゼーションがSFC資産の虚偽表示を通じて達成したとされる利息コストの削減約1億6,800万ドルで構成されており、残り(判決前の利息適用前)は主に「不正行為」に関連している。 トランプ氏らは特定の不動産資産(ワシントンの旧郵便局ビルを含む)の売却を通じて利益を得たことを実感した。  エンゴロン判事は、同社のD&O保険と保証保険の更新が保険詐欺によって調達されたことを明示的に認定したが、保険取引に関連して授与された不当利得の吐き出し額の一部は存在しない。 エンゴロン判事の判決では、保険申請の虚偽表示により、トランプ・オーガニゼーションが保険を取得できたか、あるいは本来受け取れていたであろうより有利な条件で保険を取得できたことが、明示的ではなく暗黙的に示されている。  エンゴロン判事の判決は、虚偽報道の疑いによって組織がどのような利益を得たかを、それほど多くの言葉で明確に述べていない。 確かに、保険に関する裁判所の認定は、間違いなく、彼のさまざまな差止命令による救済(例えば、役員の禁止を含む)の裁定を裏付けた。 しかし、この決定は、保険の不当表示の申し立てと差し止め命令による救済との間に直接の関連性を示していない。  保険の世界を長年観察してきた著者(Kevin M. LaCroix)にとって、保険の調達に関連した重大な虚偽表示が、州の司法長官による訴訟での不正認定の根拠となっているということは、ある意味新鮮なことのように思える。 通常、申請の虚偽表示の申し立ては、誤解を招くとされる保険会社によって主張され、求められる救済は、誤解を招くように調達された保険契約の取り消しである。 確かに、申請の虚偽表示が保険契約取り消しの根拠となる可能性があるというだけで、その虚偽表示が詐欺容疑の根拠となる可能性を排除するものではない。 政策撤回の代替手段の方がより馴染みのあるアプローチであるというだけである。  少なくとも、エンゴロン判事による公判証言の朗読によれば、トランプ...

米国内外でのトランプ裁判の全体像について鳥瞰図かつ法的に詳しい解説に挑戦(その2)

  ■4つのトランプ裁判につきアクターも含め法的な意味で争点を整理する。 Ⅰ .  フロリダ州での連邦政府機密文書の違法な収集と保管裁判 1. 裁判概要  (刑事事件) ① 裁判所: フロリダ州南部地区連邦地方裁判所 裁判官 :US District Judge :エイリーン・キャノン(Aileen Cannon) Aileen Cannon 氏 検事 :ジャック・L.スミス連邦特別検事(Special Counsel :Jack L.Smith) (注2) Jack L.Smith 氏 ②事件の概要 政府機密文書の違法収集と保管問題   当初のDOJ起訴状 (全49頁)は、トランプ氏が大統領として米国が所有する何百もの機密文書を収集し、それらをホワイトハウスの段ボール箱に保管したと主張している。一部の文書には、米国と外国の両方の米国の核計画含む米国とその同盟国の軍事攻撃に対する潜在的な脆弱性、そして外国からの攻撃に対応して報復の可能性を計画している防衛および兵器能力に関する情報が含まれていた、と述べている。 Mar-a-Lagoのトランプ邸内の機密文書の山(起訴状に添付されている)  2023年6月8日、ドナルド・トランプ元大統領と彼の補佐官であるワルティン・T .ナウタ Jr. (Waltine Torre Nauta Jr.)氏はフロリダ州 Mar-a-Lagoのトランプ邸での機密文書の取り扱いの誤りに関連する容疑でフロリダ州南部地区の連邦大陪審により 起訴 された。取って代わる 起訴 2023年7月27日に封印が解除され、追加の被告カルロス・ド・オリベィラ(Carlos De Oliveira)が起訴され、トランプに対する証拠の改ざんに対する国防情報を故意に保持し, そして捜査官に嘘をついたとする3つの追加告発が含まれる。( 2023年7月27日付け最終起訴状 (全60頁))  なお、起訴状によると計36訴因のうち主たる訴因1~31は「全米の国防に関する故意の保管(Willful Retention of National Defense Information:18 U.S.C.§793(e))」 (注8) である。  より具体的に言うと2021年1月から、トランプがホワイトハウスを去る準備をしていたので、 連邦検事は、トランプ氏がホワイトハウスの...