悪意あるインタフェース・デザイン・パターンの一種でエンドユーザーをだまし、本人の意図または期待とは異なる行動を取らせる「ダーク・パターン」の米国やEUの規制強化に向けた具体的活動内容を検証(その3完)
2.欧州データ保護会議 (EDPB) 、ソーシャルメディアインターフェースにおける「ダークパターン」の使用に関するガイドライン草案を公開:解説b log の要約 Covington & Burling LLPの解説blog を以下、 仮訳 する。筆者はNicholas Shepherd氏、Daniel P. Cooper 氏である。 Nicholas Shepherd 氏 Daniel P. Cooper 氏 2022 年 12 月 9 日、欧州委員会の司法・消費者保護担当委員、ディディエ・レインダース(Didier Reynders)氏(ベルギー代表)は、欧州委員会が次の 2023 年の任務を、オンライン広告市場の透明性や Cookie 疲労と並行してダーク・パターンの規制に焦点を当てると発表した。この義務の一環として、EU の消費者保護協力 (EU’s Consumer Protection Cooperation :CPC) ネットワークは、399 の小売 Web サイトとアプリのダーク パターンの徹底的な調査を実施し、オンライン ショッピング Web サイトの 40% 近くが消費者の脆弱性を悪用かつ騙す操作的行為に依存していることを発見した。 Didier Reynders氏 これらの問題を強制するために、EU にはダーク・パターンを規制する単一の法律は現状はないが、ダーク・パターンについて議論し、消費者をダーク・パターンから保護するツールとして使用される可能性のある複数の規制がある。 これには、 「一般データ保護規則 (General Data Protection Regulation (GDPR)」 、 デジタル・サービス法 (Digital Markets Act:DSA) 、デジタル市場法 (Digital Markets Act:DMA)、不公正商行為指令 (Unfair Commercial Practices Directive「UCPD」 (注16) 、および AI法(Artificial Intelligence Act) やデータ法(Data Act) (注17) など規制案が含まれる。 1.ダーク・パターンに関する法的枠組み EUで「ダーク・パターン」という用語には単一の定義はない...