■4つのトランプ裁判につきアクターも含め法的な意味で争点を整理する。 Ⅰ . フロリダ州での連邦政府機密文書の違法な収集と保管裁判 1. 裁判概要 (刑事事件) ① 裁判所: フロリダ州南部地区連邦地方裁判所 裁判官 :US District Judge :エイリーン・キャノン(Aileen Cannon) Aileen Cannon 氏 検事 :ジャック・L.スミス連邦特別検事(Special Counsel :Jack L.Smith) (注2) Jack L.Smith 氏 ②事件の概要 政府機密文書の違法収集と保管問題 当初のDOJ起訴状 (全49頁)は、トランプ氏が大統領として米国が所有する何百もの機密文書を収集し、それらをホワイトハウスの段ボール箱に保管したと主張している。一部の文書には、米国と外国の両方の米国の核計画含む米国とその同盟国の軍事攻撃に対する潜在的な脆弱性、そして外国からの攻撃に対応して報復の可能性を計画している防衛および兵器能力に関する情報が含まれていた、と述べている。 Mar-a-Lagoのトランプ邸内の機密文書の山(起訴状に添付されている) 2023年6月8日、ドナルド・トランプ元大統領と彼の補佐官であるワルティン・T .ナウタ Jr. (Waltine Torre Nauta Jr.)氏はフロリダ州 Mar-a-Lagoのトランプ邸での機密文書の取り扱いの誤りに関連する容疑でフロリダ州南部地区の連邦大陪審により 起訴 された。取って代わる 起訴 2023年7月27日に封印が解除され、追加の被告カルロス・ド・オリベィラ(Carlos De Oliveira)が起訴され、トランプに対する証拠の改ざんに対する国防情報を故意に保持し, そして捜査官に嘘をついたとする3つの追加告発が含まれる。( 2023年7月27日付け最終起訴状 (全60頁)) なお、起訴状によると計36訴因のうち主たる訴因1~31は「全米の国防に関する故意の保管(Willful Retention of National Defense Information:18 U.S.C.§793(e))」 (注8) である。 より具体的に言うと2021年1月から、トランプがホワイトハウスを去る準備をしていたので、 連邦検事は、トランプ氏がホワイトハウスの...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。