昨今、生成AIの功罪を巡る議論が高まる中で、消費者保護から見たマーケティング活動の問題に関し重要と考える点を例示する。 (1)テレビ番組等のサプリメント等スポンサー広告の多過ぎ、またインフルエンサー広告は全く無意味、(2)ネット広告・ターゲット広告のしつこさ(場合によっては詐欺広告類似)、(3)なりすまし詐欺メールの氾濫、(4)かつて一般に利用出来た商品テスト (注1) は皆無である。 このようなマーケィングの在り方に加えて、AI技術の普及は消費者にとってメリットはますます後退している。(3月29日付け読売新聞1面連載特集「情報偏食:AIが回答「多様性減少」第6部 求められる規範五最終回 参照) ところで、ブロガー(コンテンツ・クリエイター)である筆者は、最近AIにおける 人間のキュレーター (Human curator) の役割の神髄を明確に指摘した海外レポートを読んだ。具体的にはジョーン・ウェステンバーグ(Joan Westenberg)氏のblog 「キュレーション(人力で情報を収集、整理、要約、公開(共有)すること)は知的な会話における最後の望みである」 およびグレグ.・ブックレス(Greg Buckles)氏 (注2) の eDiscovery Journal への最新投稿 「キュレーション : AI の事実の背後にある人間の意味(Curation – the Human Meaning behind the AI Facts)」 のうち、今回は内容から見て目から鱗が落ちるといえる前者のみ取り上げる。また、RSSの再評価などもわが国では珍しい点で特記事項にあたる。 Greg Buckles 氏 さらに、AIに関しコンテンツ・キューレーターやコンテンツ・アグリゲーターの役割等につき、わが国で詳しく解説したものは皆無である。今回のブログの後半でまとめた。 なお、後段で説明するコンテンツ・アグリゲーターの例について、筆者はこの例示には 異論 がある。【私見】として長年の筆者の法律ブロガーの経験から補追する。 Ⅰ. 「 AI キュレーションは、知的な会話 (discourse) における最後の望みである」 Joan Westenberg氏のレポート を 仮訳 する。なお、注書き、リンクおよび太字部は筆者の判断と責任...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。