2023年1月11日、 ベルギーのデータ保護機関(「Autorité de protection des données;以下、「APD」という) は、インタラクティブ広告局ヨーロッパ(以下、“IAB Europe”という) (注1) の「透明性と同意のフレームワーク(Transparency and Consent Framework: TCF )」に関する行動計画を承認したと 発表 した。 Townsend Feehan氏 (IAB EuropeのCEO) この解説記事は主要ローファームで論じられている、しかし、一方で、その内容についてみると、はたして、1)GDPR違反に関し具体的にいかなる点が問題なのか、2)業界団体が厳しく罰せられる理由は如何、3)アドテク・ベンダー業界への影響は如何といった問題についての解説は皆無である。 今回のブログはAPDのリリース文の仮訳を中心に以上の疑問点を関係サイトやローファームの 解説 を適宜引用、仮訳する。 1.APDのIAB Europe によって開発された「「透明性と同意のフレームワーク (TCF)」 が GDPR の多くの条項に準拠していない点を問題提起 2019 年以降、ベルギーのAPD は Interactive Advertising Bureau Europe (IAB Europe) を対象とした一連の苦情を受けました。苦情は、いわゆる「透明性と同意のフレームワーク (TCF) 」と GDPR との適合性に異議を唱えるものであった。 IAB Europe によって開発された TCF は、OpenRTB (注2) プロトコルに依存するアドテク事業体の GDPR への準拠に貢献することを目的としている。 Open RTB プロトコルは、「リアルタイム入札(Real-Time Bidding)」 (注3) で最も広く使用されているプロトコルの 1 つである。つまり、インターネット上で広告スペースを売買するためのユーザー プロファイルの即時自動オンライン オークションである。ユーザーが広告スペースを含む Web サイトまたはアプリケーションにアクセスすると、何千もの広告主を代表するテクノロジー企業が、アルゴリズムを使用した自動オークション システムを通じて、舞台裏でその広告スペースに即
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。