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9月, 2021の投稿を表示しています

オハイオ州の男は3億ドル(約327億円)以上の不正収益の洗浄(money laundering )を行ったダークネット・ベースのビットコイン「ミキサー」会社を運営した罪を認める

   オハイオ州の男性ラリー・ディーン・ハーモン(Larry Dean Harmon、以下「ハ―モン」という)(38歳)は、8月18日、ダークネット (注1) に拠点を置く暗号通貨(資産)のローンダリングサービスであるHelixの運営に起因するマネーロンダリングの共謀(conspiracy)について有罪を認めた旨、連法司法省が発表した。  実は2020年10月19日、連邦財務省・金融犯罪法執行ネットワーク(Financial Crime Enforcement Network::FinCEN)は、”Helix”と ”Coin Ninja”の創設者でかつ管理者および主要な運営者であるハ―モンに対して、「銀行等に対する機密性が高くまたは不審な現金払いおよび海外との金融取引等に関する報告義務法(Bank Secrecy Act: BSA )およびその施行規則の違反を理由 に6,000万ドル(約65億4,000万円)の民事罰金 を査定した。  さらに、2021年8月10日、FinCENは、BSAおよびFinCENの実施規則に違反したとして、最も古く最大の変換可能な仮想通貨デリバティブ取引所の1つであるBitMEXに対して1億ドル(約109億円)の民事罰を査定した。   これらの一連の法執行機関の協調的な捜査・調査や法執行の実態を見るにつけ、わが国の法整備法や法執行機関の動きの甘さが気になるのは筆者だけではあるまい。ちなみに、8月30日わが国の財務省は 「FATF(金融活動作業部会)対日相互審査報告書が公表された」 、「財務省 「今後3年間の「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画」」 を公表した。わが国の対日相互審査報告書は全292頁である。 (注2)  今回のブログはHelix、Coin Ninja、BitMEXに対する法執行の現状を連邦司法省、FinCEN、内国歳入庁等のリリースなどに基づき解説を試みるものである。 1.オハイオ州の男性ラリー・ディーン・ハーモン(Larry Dean Harmon)は、8月18日、ダークネットに拠点を置く暗号通貨(資産)のローンダリングサービスであるHelixの運営に起因するマネーロンダ...

SECは20億ドル(約2180億円)以上のネズミ講詐欺等でBitConnect関連暗号資産貸付プラットフォーム、トップエグゼクティブおよび販売推進者等を起訴

   米証券取引委員会(SEC)は9月1日、オンライン暗号通貨(資産)貸付プラットフォームである(1)BitConnect、その創設者である(2)サティシュ・クンバニ(Satish Kumbhani)、および米国のトップ販売促進者(3)グレン・アルカロ(Glenn Arcaro)と(4)その関連会社に対してデジタル資産を含むプログラムへの連邦取引法違反にあたる未登録のままで投資の提供を行ったとして訴訟を起こした旨 発表 した。    より詐欺手口を説明すると、被告らはBitConnectの「貸付プログラム(Lending Program)」を立ち上げ、ユーザーに毎月40%以上のリターンを約束した。2017年から2018年の間に、 「ボラティリティ・ソフトウェア・トレーディング・ボット(volatility software trading bot)(乱高下ソフトウェア取引ボット(検索などで人間を補助をするソフトウェア・エージェント(software agent)」 によって年率3,700%以上のリターンがあったように見せかけた。しかし、これは完全なる 「ネズミ講詐欺(Ponzi scheme)」 である。  SECの告訴状によると個人投資家から少なくとも20億ドル(約2,180億円)を詐取したと主張している。    被告人は民事上の罰則を受ける可能性もある。証券取引法違反は、最高20年の懲役と500万ドルの罰金が科せられる。    なお、 後述するとおりアルカロ被告は9月1日に有罪答弁を行った。     暗号通貨プラットフォ―ム BitConnec tを巡るねずみ講詐欺事件や連邦証券法に違反して未登録のまま販売推進を行ったことに対するSECの厳しい姿勢は一層強化されている。    しかし、一方で米国をはじめ国際的なのネズミ講や証券詐欺は一向に減らない。本文で紹介する詐欺師たちの顔を見てほしい。どう見ても胡散臭さがうかがえるが被害者は減らないし、どういうわけかSECの告訴記事を取り上げる暗号資産専門サイトは多いが、いずれも被告の顔は出てこない。  本ブログは、公的資料に基づきできるだけ時系列的に整理し、正確にこれら組織犯罪の実態、起訴事実、法的解説等を...

ISISの武装戦闘員の1人がシリアで4人のアメリカ市民の死亡だけでなく、英国と日本の国民の死をもたらした残忍な人質・殺人計画への参加に関連して有罪答弁

   犯行メンバーの1人が、アメリカ、イギリス、日本人の市民の死をもたらした人質取りスキームに参加したことの有罪を認めた。  9月2日、「ビートルズ」と呼ばれる元英国の市民権をもつイラクとアルシャムのイスラム国( Islamic State of Iraq and al-Sham :ISIS:アイシス) (注1) の外国 にむけたテロ組織のための武装戦闘員の1人が、シリアで4人のアメリカ市民(うち2人は人権支援活動家)の死だけでなく、英国と日本の国民の死をもたらした残忍な人質計画への彼の参加に関連して米国で彼に対して提起されたすべての容疑につき有罪を認めた。  約6年から7年前の事件でわが国のメディアは日本人2人が惨殺され大騒ぎした割には今回の裁判の模様については取り上げたものは皆無に近い。    このような中で海外の協力法執行機関とともに被告を追い詰め、かつ有罪答弁まで持ち込んだ連邦司法省、FBIの捜査努力はな無並みならぬものを感じた。  特に日本人被害者である湯川遥菜氏(1972年4月27日 生まれ)は、後藤健二氏(1967年9月22日生まれ)の遺族はこの裁判は極めていたたまれない気持ちで見守っていたに違いない。邦人の海外でのテロに巻き込まれるリスクは今後とも高まることは間違いない。  アフガニスタンをはじめますます混迷を増す中東諸国の理解を深めるとともに、国際的に見たテロ行為を全体許さないわが国の政治姿勢を貫くべきであろう。    本ブログは、まず(1)2020年10月7日の連邦司法省の被告の特定、身柄拘束、米国内への移送経緯、起訴内容ついて説明し、次に(2)本年9月2日アレクサンダ・アモン・コテイ(Alexanda Amon Kotey)被告の有罪答弁に関するバージニア州東部地区連邦検事局の発表内容を概観する。  なお、事実関係の説明の中でこの両者の説明で重複がみられるが、了解されたい。   1.2020年10月7日 連邦司法省広報部のリリース「「シリアでのアメリカ人、英国人、日本人等の惨殺で起訴されたISIS過激派を起訴」   リリース文 を 仮訳 する。  副題はシリアでのアメリカ市民の人質拘束と、ジェームズ・ライト・...

アイルランドのデータ保護委員会はEUデータ保護会議(EDPB)の仲裁を経てWhatsappに2億2,500万ユーロ(約290億2500万円)の罰金を科す

   9月3日、筆者の手元に大手ローファームFox Rothchild LLP記事 「アイルランドのデータ保護委員会はWhatsappに2億2,500万ユーロ(約325億90万円)の罰金を科す:EU域内の事業者が知っておくべきこと」というレポートが届いた。なお、アイルランドのメディアによるとWhatappはDPCの決定を不服とし、今後アイルランドのHight Court (注1) または直接に欧州司法裁判所(CJEU)に持ち込むことになろうと報じている。  筆者は罰金額の大きさよりも、事実関係特にアイルランド情報保護委員(Data Protection Commission:DPC))の域内の情報保護機関との交渉不成立、さらに2021年6月3日にGDPBへの紛争解決プロセス(GDPR第60条、第65条)を発動させた点が気になった。  そこで、今回のブログは、(1)Fox Rothchild LLP記事にもとづきWhatsappの違法性判断の根拠の整理、(2)アイルランド・データ保護委員会(Data Protection Commission:DPC)の事実関係、経緯も含めた解説サイト内容の解析、(3)EUの仲裁機関であるデータ保護会議(EDPB)の仲裁内容、特にGDPR第65条や第60条の関係にかかる解釈問題などを公的資料等にもとづき論じるものである。 1.Fox Rothchild LLP記事 「アイルランドのデータ保護委員会はWhatsappに2億2,500万ユーロの罰金を科す:EU域内の事業者が知っておくべきこと」 の 仮訳  同記事では明確でないが、アイルランドの記事を読むと「具体的には、WhatsAppがGDPRの第14条 (注2) に違反していることが判明し、データ管理者はデータの収集方法と処理方法に関する十分な情報をデータ主体に提供する必要があると述べている」  アイルランドのデータ保護委員会は、Facebookが所有する人気メッセージングアプリWhatsAppに2億2,500万ユーロ(約325億900万円)の罰金を科した。 (注1-2)  GDPRの対象となる企業の主な責務・問題点を次に示す。なお、わが国の保護機関である情報保護委員会も含め読者はこれらの問題指摘をどのように受け止める...