筆者は7月29日付けの”GDPR HUB”を読んだ。このサイトはわが国ではほとんど言及されていない。しかし、7月29日の記事を読んだだけでも次のような記事がとりあげられている。 ちなみに、 GDPR hub .eu は以下示すように①係属裁判所名、②管轄国、③GDPRの関係条文、④決定日、⑤事件番号、⑥下級審の決定情報、⑦原データの言語などが表示されている。 運営主体は”noyb”である。代表者はオーストリア国籍のマクシミリアン・シュレムス(Maximillian Schrems:通称Max Shrems)氏であり、筆者は ブログ で取り上げている。 ① ベルギー:2021.7.29 GDPR Today ベルギーのブリュッセル控訴裁判所は、検索結果の上場廃止に関する事件でベルギーDPAが課した是正措置は、ベルギーの設立された(Googleベルギー)の活動がGoogle LLCと密接に関連していることを十分に説明していなかったため、Googleベルギーではなく、コントローラである(Google LLC)に課されるべきであると判断した。 ② フランス:CNIL - SAN-2021-010 フランスのDPAであるCNILは、DGPR第5条のデータ保持原則に違反したとして、保険会社および補充年金会社€1,750,000(約2億2750万円)の罰金を科した。 ③ ドイツ:ラインラント=プファルツ州高等行政裁判所判決(2021.6.25)j 10 A 10302/21 ドイツ高等行政裁判所は、切替式監視カメラがGDPRの適用範囲内に収まらないと判示した。さらに、GDPR第58条(2)(f)は、DPAが(電源を切った)カメラの取り外しを命じるためまでの権限を与えないと判示した。 なお、 ドイツ裁判制度全体図 を参照されたい。 ④ ハンガリー:NAIH - NAIH-2894-3/2021 ハンガリーのDPA(Nemzeti Adatvédelmi és Információszabadság Hatóság (Hungarian National Autho...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。