本名インフェアニ・エケ(Ifeanyi Eke)は、この詐欺犯罪計画において監督的役割を果たし、ニューヨークの国連本部を含む35人の犠牲者に対して約270万ドル(約2億9,160万円)の損失をもたらした。 2021年4月13日(火)、ニューヨーク南部地区のオードリー・シュトラウス(Audrey Strauss)連邦検事は、ナイジェリア人であるインフェアニ・エケ(Infeanyi Eke: 別名:ルーサー・マルバ・ドーリー:Luther Mulbah Doley)が4月13日に有罪となり、広範囲にわたる国際的な電子メール詐欺(BEC) (筆者注1) シンジケートの一環として刑罰が宣告 (筆者注2) された旨 発表 した。 Audrey Strauss 氏 今回のブログは、(1)2016年ころから話題となり、また急速に増加している「ビジネス電子メール詐欺(Business Email Compromise )計画」の実態をFBIのリリース内容にもとづき解説するとともに、(2)英国IT専門メディア”The Register”等の記事等に基づき起訴や裁判内容を明らかにし、さらに(3)その被害を阻止するための具体的施策について緊急提言を行うものである。 1. FBIのリリース概要 シュトラウス連邦検事は、「被告が本日認めたように、イフェアニ・エケは300万ドル近くを数十人の犠牲者からだまし取った国際的な詐欺陰謀において重要な役割を果たした。当然のことながら、エケは、有罪(40カ月の拘禁刑、365,205ドル(約3944万円)を没収、さらに2,691,908.30ドル(約2億9073万円)の被害者に対する払い戻し)等を宣告された」と述べた。 Ifeanyi Eke 被告 起訴状 および検事局の申し立てによると、他の裁判所の提出、および裁判所の手続き中に行われた声明に基づく申し立て内容は概要、以下のとおりである。 (1) 2016年頃から2018年7月にかけて、エケと共同被告たるシリル・アシュ(Cyril Ashu)、ジョシュア・イケジンバ(Joshua Ikejimba,)、チネドゥ・アイユア(Chinedu Ironuah)を含む彼の共謀者は、米国内外の数十人の犠牲者を...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。