2月26日、筆者は英国法務省の検死官規則(Coroners Rules 1984)の一部改正の背景と司法改革の観点からみた意義について 解説 した。(筆者注1) また、FBIが現在稼動させている「統合自動指紋認証・検索システム(Integrated Automated Fingerprint Identification System:IAFIS)」の次期システムである 「次世代生体認証システム(Next Generation Identification System:NGI」 の構築計画の概要について、2007年12月27日の本ブログ( その1 , その2 )で簡単に紹介した(“NGI”については3月8日、FBIは初期動作能力確認が成功した旨 リリース しており、筆者は米国政府の本格的な生体認証データベース戦略につき別途取りまとめ中である)。 今回のブログの執筆にあたり、わが国の警察庁関係の資料を読んでいたところ、2010年1月から検討を行っている警察庁「犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会」の検討資料の中で英国(イングランド&ウェールズ)の 報告資料 (4頁)での2009年「コロナー法改正」に関する解説が目にとまった。 同研究会の検討状況についてはあまり知られていない問題であるが、「不審死」をめぐる問題意識が捜査・司法関係でも高まっていることは興味深い点であり、検討状況と課題につき概要をまとめた。 一方、検視や死因究明問題と極めて深くかかわる法科学問題として「フォレンジック科学(Forensic Science)」への取組み問題がある。 筆者は日頃から米国NIJ(連邦司法省・司法研究所) (筆者注2)(筆者注3) の “Forensic Sciences” 、FBIの “Forensic Science Communications” 、大学(米国マーシャル大学の “Marshall University Forensic Science Center” 等)の発信情報にも目を通すことが多いが、わが国として本格的な研究をすべき時期はとっくに過ぎているように思える。 1.警察庁「犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会」の検討概要 (1)設置目的およ...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。