Last Updated: March 5, 2021 WHOの統計では米国大陸、オセアニア、英国等の確認累計感染者や死者数は引続き拡大傾向にある。今回は、WHOの7月6日公表の累計感染者数や死者数を解説する。 6月29日比(No.10)で比較すると、これまで累計感染者数の多い国とりわけ米国、アルゼンチンにおける死者の増加が依然高い水準にある一方で、ペルー、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド、中華人民共和国、タイ、フィリピン、シンガポール等南半球や東南アジアの国々等の感染拡大が続いている。 また、今回はWHOと汎米保健機関(HAHO)ハイレベル会議における米国のタミフル42万治療分のラテンアメリカやカリブ海の国々への地域備蓄(regional Stockpile)への供与をめぐる動向、米総合医学専門雑誌の新型インフルエンザ特集に関する最新情報を追加する。 なお、本文に述べるとおり、これらの動向は相互に関連しているので、その関連性をわが国の関係者は理解しておく必要がある点を改めて指摘しておく。 1.わが国の最新情報 2009年7月7日現在の厚生労働省の発表では、日本の新型インフルエンザ感染者数は、1,867人(6月29日比+660人)である。各都道府県別発生状況は厚生労働省サイト 「新型インフルエンザに関する報道発表資料」 で確認できる。 2.WHOの最新発表情報 WHOの公表確認感染者数(2009年7月6日世界標準時9時現在)(update58) データに基づき累計確認感染者数が100人以上の国(42か国)のみ紹介する。(多い順に並べ替えた) 全体の数字は123か国(6月29日比+14か国)、累計感染者数は94,512人(6月29日比+23,619人)(うち死者は429人(6月29日比+118人)) 「国名」、「累計感染者数(死者数)」、「6月29日比増加数(死者数)」の順に記載した。 ①米国:33,902人(うち死者170人(+43人))(+6,185人)、②メキシコ:10,262人(うち死者119人(+3人))(+1,983人)、③カナダ:7,983人(うち死者25人 (+4人) )(+208人) 、④英国:7,447人(うち死者3人(+2人)) (+3,197人) (筆者注1) 、⑤チリ:7,376人(うち死者...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。