Last Updated : March 5,2021 最近わが国のブログで紹介され始めた話題 (筆者注1) で、5月18日にサービス開始する “WolframAlpha” と“Google” はどちらが検索エンジンとして機能面等で優れているか、また“Google”の世界戦略はどのような影響を受けるのかといった問題につき各方面から解説が行われている。 5月11日に筆者に届いたドイツのメディア “SIEGEL ONLINE”(国際版) (開く前にプライバシーポリシーを承認すること)を読んでみると、ドイツらしいロジカルかつ辛口の記事が目に留まったので紹介する。Google自体話題性の多い企業であること(米国型企業戦略でもある)は言うまでもないが、“SPIGEL”が比較において使用した項目は単にわが国等関係者が従来指摘している以上に重要な視点が含まれているという判断から専門外ではあるが、あえてとりあげるものである。 なお、“SPIGEL”の記事では10項目に分けて比較等を行っているが、そのうち主要な7項目のみ取り上げる。 1.“WolframAlpha”の開発者の本当の開発目的は何か 米国の理論物理学者兼実業家 Stephen Wolfram (筆者注2) が開発した検索エンジン“WolframAlpha”は、“ Google の 殺し屋”ではない。また検索エンジン機能だけでもない。「コンピュータ自身による知識エンジン(computational knowledge engine)」すなわち彼自身が自ら主張する「コンピュータの使用とウェブのための新しい理論的枠組み(a new paradigm for the use of computers and the Web)」である。その最終的な目標はコンピュータの先駆者が1950年代に指摘した約束(コンピュータ自身が質問し答えを出させる)の達成である。彼は数学パッケージソフトウェア“Mathematica”を開発した。同ソフトは、統計学者、科学者や数学者が課すあらゆる数学上の普遍的問題解決ツールである。同プログラムは膨大な処理能力を必要とするため、いくつかのコンピュータ雑誌がPCの容量と能力をテストするのに利用するほどである。 Stephen Wolfram 氏 “Wolfr...
わが国のメディアの多くが海外メディアの受け売りに頼る一方で、わが国のThink Tankのレポートも中央官庁等の下請けが多い。筆者は約18年かけて主要国の法制研究、主要Think Tank、グローバル・ローファーム、主要大学のロースクール等から直接データ入手の道を構築してきた。これらの情報を意義あるものにすべく、本ブログで情報提供を行いたい。